--- 要約版 ---

12 キハダ 東部太平洋

Yellowfin Tuna

Thunnus albacares

                                                           
PIC

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図

太平洋におけるキハダの分布域


図

東部太平洋におけるキハダの年齢と尾叉長(cm)の関係


図

東部太平洋におけるキハダの漁法別漁獲量


図

東部太平洋におけるキハダの国別漁獲量


図

東部太平洋におけるキハダのF/FMSYとS/SMSY(上図)、B/BMSY(下図)の推移(赤丸が現状)



キハダ(東部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
18.1〜26.0万トン
平均:21.8万トン(2007〜2011年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.3〜0.5万トン
平均:0.4万トン(2007〜2011年)


管理・関係機関
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)

最近一年間の動き
2011年の東部太平洋のキハダ総漁獲量は20.3万トンで前年の78%であった。2012年のIATTCによる資源評価では、MSYは26.3万トンと推定された。2012年に資源評価が実施され、2011年の漁獲量、CPUE、サイズ組成データの追加及び2011年以前のデータは更新された。現状の総資源量、産卵資源量はBMSYにほぼ等しい(Brecent/BMSY=1.00、Srecent/SMSY=1.00、recentは2012年第一四半期時点)、近年の漁獲死亡係数はMSYより小さい結果となった(F2009-2011/FMSY: 0.79、Fmultiplier=1.15)。将来予測結果に基づくと、努力量が現状と同レベルで推移すれば産卵資源量はBMSY周辺にとどまるとされた。資源管理措置は、2012年6月の第83回IATTC年次会合において、2012年と同様の保存管理措置を2013年にも導入することが合意された。すなわち、まき網(我が国漁船の操業なし)は全面禁漁措置(62日間)、沖合特定区での禁漁措置(1か月間)。はえ縄(我が国漁船の操業あり)はメバチに対して漁獲量の上限が設定された。

生物学的特性
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年、表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:熱帯域・温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
まき網が漁獲量の9割近くを占め、残りがはえ縄と竿釣りで漁獲されている。まき網は伝統的にイルカ付き操業を行い、流れ物付き操業は50 cm程度の小型魚、素群れ操業は60〜100 cm程度、イルカ付き操業は90〜150 cmの中・大型魚を中心に漁獲している。はえ縄は、主として100 cm以上の中・大型魚を漁獲する。まき網漁業国はメキシコ、ベネズエラ、エクアドル等であり、イルカ付き操業の漁場は北緯10度を中心とした西経130度以東の沿岸域に分布し、素群れ操業は沿岸部に多く、流れ物付き操業は比較的南緯側で多くみられる。はえ縄の漁業国は日本、韓国、台湾及び中国等であり、赤道を挟んだ南北15度を中心に操業している。

漁業資源の動向
1960年頃までは竿釣りにより資源が開発され、その後、竿釣りはまき網に転換された。大部分はまき網によって漁獲され(91%)、残りがはえ縄(7%)と竿釣り(1%)である。1970年代半ばと1990年にピークがみられる。1983年の鋭い落ち込みは海況の変化に起因する漁船数の減少によるものである。1990年以降の低下は、イルカ付きの魚群を漁獲していたため、イルカの保護運動の影響で努力量が減少したことによるものである。1990年以降は米国以外の国籍船の進出が目立ち、1999年には29.8万トンまで回復し、好調な加入による資源増加と相乗して、2001〜2003年には40万トンを超えた。2011年は20.3万トンである。

資源状態
MSYは26.3万トンと推定され、2011年の漁獲量より大きい。現状の総資源量、産卵資源量はMSYと同等で(Brecent/BMSY=1.00、Srecent/SMSY=1.00、recentは2012年第一四半期時点)、近年の漁獲死亡係数はFMSYレベルより小さい(F2009-2011/FMSY=0.79)。親子関係や自然死亡係数を変化させる感度分析では資源評価結果の不確実性が示唆された。

管理方策
2012年6月の第83回IATTC年次会合において、2012年と同様の保存管理措置を2013年にも導入することが合意された。すなわち、まき網(我が国漁船の操業なし)は全面禁漁措置(62日間)、沖合特定区での禁漁措置(1か月間)。はえ縄(我が国漁船の操業あり)はメバチに対してであるが漁獲量の上限が設定された。

資源評価まとめ
資源評価は従来からIATTCが実施。資源評価モデルは統合モデルのSS3を採用。資源は中位で、安定的である。

資源管理方策まとめ
資源は中位で、大きくは変動しないと予測されている。しかし、まき網の魚槽容量(潜在的な漁獲能力)は増加しているため、これに見合った努力量の削減が必要。