--- 要約版 ---

06 大西洋クロマグロ 西大西洋

Atlantic Bluefin Tuna

Thunnus thynnus

                                                       
PIC

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図

大西洋クロマグロの分布域と主要漁場、産卵場
索餌場は産卵場を除く分布域。縦太線は東西の系群の区分。


図

大西洋クロマグロ(西系群)の成長曲線
赤は2010年の資源評価で更新された成長曲線、青は更新前を示す。図中の矢印は成熟体長を示す。


図

大西洋クロマグロ(西系群)の年別漁法別漁獲量(上)と年別国別漁獲量(下)
漁獲量には投棄分も含まれる。


図

本資源の親魚資源量の経年変化、上下の点線間は80%信頼範囲


図

大西洋クロマグロ(西系群)の加入量(1歳の尾数)の経年変化
上下の点線間は80%信頼範囲。最近年(2009〜2011年)は信頼性が低いためマークを変えた。

大西洋クロマグロ(西大西洋)資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
1,600〜2,000トン
平均:1,900トン(2007〜2011年)
(投棄を含む)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
162〜578トン
平均:372トン(2007〜2011年)


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

最近一年間の動き
2011年の大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)への報告漁獲量は約2,000トンであった。ICCATでは2012年9月に資源評価を更新した。資源評価では、数理モデルへの入力データに最近2年間分の漁獲情報・資源指数を追加するに留め、モデルの詳細は前回(2010年)の資源評価での設定を踏襲した。資源評価の結果、親魚資源量は1980年代より近年まで1970年代初頭の25〜36%で比較的安定しており、2006年以降は増加傾向にあると推定された。前回(2010年)の資源評価では高水準と評価されていた2003年級の加入量は、最新の資源評価では前回よりも低く見積もられ、当該年級が2002・2003年級の両方で構成されるとの結果となった。しかし、これは漁獲物の年齢組成を推定する際に隣り合う年級群の判別が高齢になるにしたがって不鮮明になる技術的な問題によるものであり、現実には2003年級の加入水準は高かったと認識された。2013年の総漁獲可能量(TAC)は、2012年と同様の1,750トン(日本は302トン)である。なお次回の資源評価は、資源評価モデルや生物学的データを抜本的に見直した上で、2015年に実施する予定である。

生物学的特性
  • 寿命:32歳
  • 成熟開始年齢:9歳
  • 産卵期・産卵場:5〜6月、メキシコ湾
  • 索餌場:北緯35度以北の北大西洋
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身・すしなど

漁業の特徴
主な漁業国では、日本ははえ縄のみを、米国は釣りを主体にはえ縄・まき網を、カナダは釣りを主体にはえ縄の操業をする。漁期は日本が11〜3月、米国が主に7〜11月、カナダは8〜11月である。

漁業資源の動向
漁獲量は1981年までは5,000トン前後で推移したが、漁獲規制により1983年以降ほぼ2,500トン前後となり、2002〜2007年にかけて3,319トンから1,638トンに減少した。その後1,900トンから2,000トンの間で推移し、2011年の漁獲量は1,986トンであった。2003年以降の漁獲量の減少は、米国での不漁が主な原因である。

資源状態
親魚資源量は1970年代に大幅に減少した後、1980年代より近年まで1970年代初頭の25〜36%で比較的安定していたと推定された。2006年以降、親魚資源量に増加傾向が見られ、2011年の親魚資源量は約18,000トン(1970年の36%)と推定された。前回(2010年)の資源評価では高水準と評価されていた2003年級の加入量は、最新の資源評価では前回よりも低く見積もられ、当該年級が2002・2003年級の両方で構成されるとの結果となった。しかし、これは漁獲物の年齢組成を推定する際に隣り合う年級群の判別が高齢になるにしたがって不鮮明になる技術的な問題によるものであり、現実には2003年級の加入水準は高かったと認識された。加入量(1歳魚)は1976年以降、非常に高い水準にあると推定された2003年を除き、低いレベルで安定している。

管理方策
1998年にICCATは2018年内に50%以上の確率で最適な資源状態に回復させるという計画を決定した。同科学委員会は2012年の資源評価において、現在の漁獲量(1,750トン)を維持することは、2003年の卓越年級群を保護し、将来の資源量を増加させる一方で、漁獲量を2,000トン以上にすると、2003年級の卓越年級群が親魚資源量を下支えする可能性を阻害すると勧告した。2012年の年次会合において、2013年のTACは1,750トン(我が国は302トン)と定められた。また他の規制として、115 cm(または30 kg)未満の漁獲量制限(国別に漁獲量の10%未満とすること並びに小型魚から経済的利益を得ない方法を開始すること)、産卵場(メキシコ湾)における産卵親魚を対象とした操業の禁止及び漁獲証明制度(CDS: Catch Documentation Scheme)が実施されている。

資源評価まとめ
  • 資源評価はICCATの科学委員会において実施
  • 2010年の資源評価において成長曲線を更新(Restrepo et al. 2009)
  • 親魚資源量は低位で増加傾向
  • 加入尾数は低いレベルで安定、2003年は非常に高い卓越年級群
  • 不確実性は非常に大きい
  • 次回の資源評価は、資源評価モデルや生物学的データを抜本的に見直した上で、2015年に実施する予定

資源管理方策まとめ
  • 2018年内に50%以上の確率で最適な状態に回復させる
  • 2013年のTACは1,750トン
  • 小型魚漁獲制限
  • 漁期・漁場の制限
  • 科学委員会が資源崩壊の危機(資源の回復が困難な状況)を認めた場合、漁業を停止