--- 要約版 ---

05 大西洋クロマグロ 東大西洋

Atlantic Bluefin Tuna

Thunnus thynnus

                                                       
PIC

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図

大西洋クロマグロ(東系群)の年齢あたり体長と体重


図

大西洋クロマグロの分布域(赤)と主要漁場(青)、産卵場(黄)
縦太線はストックの東西の区分。索餌場は産卵場を除く分布域。


図

大西洋クロマグロ(東系群)の漁法別海域別公式漁獲量の推移(1950〜2011年)


図

2012年の資源評価で推定された加入量(左図、単位:尾数)、親魚資源量(右図、単位:トン)

青は公式に報告された漁獲量を用いた場合、赤は1998〜2007年の実際の漁獲が公式に報告された漁獲よりも多かった場合。


図

2012年の資源評価で推定された2〜5歳(左図)及び10歳以上(右図)の漁獲死亡率
青は公式に報告された漁獲量を用いた場合、赤は1998〜2007年の実際の漁獲が公式に報告された漁獲よりも多かった場合。


大西洋クロマグロ(東大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
1.0〜3.5万トン
平均:2.0万トン
(2007〜2011年公式報告漁獲量)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1,100〜2,400トン
平均:1,700トン(2007〜2011年)


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

最近一年間の動き
2011年の大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)への報告漁獲量は約9,800トンであった。ICCATでは2012年9月に資源評価を更新した。資源評価では、数理モデルへの入力データに最近2年間分の漁獲情報・資源指数を追加するに留め、モデルの詳細は前回(2010年)の資源評価での設定を踏襲した。資源評価の結果、親魚資源量は1970年代より2000年半ばまで減少し続けた後、近年は増加傾向に転じたと推定された。ただし、資源評価モデルの設定を変えて実施した感度解析の結果、推定された親魚資源量の増加速度や量には高い不確実性があると考えられている。公式報告漁獲量が正しかった場合、近年(2009〜2011年)の親魚資源量は過去最大時(1957〜1959年)の約95%(実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合は120%)であった。2013年の総漁獲可能量(TAC)は、2012年より500トン増の13,400トン(日本は1,139.55トン)である。また、2013年の科学委員会において、資源量の回復傾向の確認、資源評価における不確実性の定量化等について検討することとなった。なお次回の資源評価は、2014年にデータのみ追加して再度更新し、さらに2015年に資源評価モデルや生物学的データを抜本的に見直した上で実施する予定である。

生物学的特性
  • 寿命:25〜30歳
  • 成熟開始年齢:4〜5歳
  • 産卵期・産卵場:6〜8月、マジョルカ島からシチリア島にかけての地中海
  • 索餌場:地中海、ビスケー湾等、北緯35°以北の北大西洋
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
すし、刺身

漁業の特徴
主な漁業国はスペイン、フランス、日本、イタリア、モロッコ、トルコである。日本ははえ縄、スペインは定置網と釣り、フランスはまき網、イタリアは定置網とまき網で漁獲を行っている。東大西洋と地中海では小型魚が漁獲されており、特に地中海で漁獲量が多いが、過去の統計値の正確性には疑問がある。

漁業資源の動向
2011年のICCATへの公式に報告された漁獲量は約9,800トンであった。

資源状態
親魚資源量は1970年代より2000年半ばまで減少し続けた後、近年は増加傾向に転じたと推定された。ただし、資源評価モデルの設定を変えて実施した感度解析の結果、推定された親魚資源量の増加速度や量には高い不確実性があると考えられている。公式報告漁獲量が正しかった場合、近年(2009〜2011年)の親魚資源量は過去最大時(1957〜1959年)の約95%(実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合は120%)であった。前回(2010年)に行われた資源評価結果よりも楽観的であり、資源水準は中位で、増加傾向と評価された。

管理方策
2013年のTACは2012年より500トン増の13,400トンである。2013年の科学委員会において、資源の今後の動向と、TACを更に増枠した場合の影響について検討することとなった。科学委員会がステレオビデオカメラによる蓄養魚活け込み時の体長及び資源量を推定する技術の実用化を強く勧告している。これを受けて委員会では、全ての生簀において活け込み時の尾数及び重量の推定のため、ステレオビデオカメラ、または同等の情報が得られる方法を導入することに合意した。その他の規制は、まき網、蓄養へのオブザーバー制度の導入を含む管理強化、地中海のまき網漁業の禁漁期の設定と魚群探査用の航空機利用の禁止、小型魚を保護するため30 kg以下の小型魚の漁獲・陸揚げ・販売の禁止、漁獲証明制度がある。

資源評価まとめ
  • 資源評価はICCATの科学委員会で実施
  • VPA-2BOXにより資源評価
  • 不確実性は大きい
  • 資源水準は中位・増加傾向
  • 次回の資源評価は、資源評価モデルや生物学的データを抜本的に見直した上で、2015年に実施する予定

資源管理方策まとめ
  • 2013年のTACは13,400トン
  • 科学委員会が資源崩壊の危機(資源の回復が困難な状況)を認めた場合、漁業を停止
  • 地中海のまき網漁業の禁漁期設定、東大西洋の一部と地中海のはえ縄の禁漁期設定
  • 蓄養の管理強化
  • 30 kg以下の小型魚の漁獲・陸揚げ・販売を禁止