--- 要約版 ---

04 クロマグロ 太平洋

Pacific Bluefin Tuna

Thunnus orientalis

                                                       
PIC 写真の太平洋クロマグロの尾叉長は、左から順に約250 cm、60 cm、20 cm。

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図

日本周辺における太平洋クロマグロの主な漁場分布


図

太平洋クロマグロの分布と回遊の概念図


図

太平洋クロマグロの体長・体重と年齢との関係


図

漁法別漁獲量の推移(1952〜2010年)


図

国別漁獲量の推移(1952〜2010年)


図

資源評価で推定された太平洋クロマグロの産卵親魚量(上図)、加入量(下図)の点推定値及びブートストラップによる中央値と90%信頼区間



クロマグロ(太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
約18,000〜25,000トン
平均:約20,000トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
約9,000〜17,000トン
平均:約14,000トン


管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
北太平洋におけるまぐろ類及びまぐろ類似種に関する国際科学委員会(ISC)
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)

最近一年間の動き
2011年の総漁獲量は約1.8万トンで(暫定値を一部含む)、過去5年間(2006〜2010年)の平均漁獲量2.2万トンを約20%下回った。日本の漁獲量は、2011年にまき網の漁獲量が2009年並みの8,400トンに回復し、それ以外の漁法も含めると約1.3万トンになった。日本以外の2011年の漁獲量は、メキシコは前年の8,000トンから2,700トンまで減少した。韓国は700トンで、2006〜2010年の平均(1,300トン)の約半分、台湾は300トンで、2006〜2010年の平均(1,000トン)の約3分の1に減少した。米国は2002年以降で3番目に多い600トンであった。資源評価は2012年11月にISCによって行われ、近年の親魚資源の減少、未成魚を中心に漁獲圧が増加していること、資源評価の最近年(2010年)の親魚資源量が評価期間(1952〜2010年)の最低レベルに近いとされた。将来予測は、漁獲圧の削減と中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)の管理措置の確実な実施及び日本の自主的な漁獲制限の継続による親魚増大が期待されるとした。日本は、2010年に国が公表した「太平洋クロマグロの管理強化についての対応」及びWCPFCの保存管理措置に基づき、さまざまな管理措置を実施している。内容は、大中型まき網のクロマグロ総漁獲量の制限、クロマグロを採捕するひき縄、釣り等の従来の自由漁業の届出制の導入と漁獲実績の報告義務づけ、クロマグロ養殖場の登録と養殖実績報告、クロマグロの養殖場の数やいけすの規模の拡大の制限並びに韓国産とメキシコ産輸入クロマグロの漁獲情報等の報告の取組みである。

生物学的特性
  • 寿命:20歳以上
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:日本南方〜フィリピン沖で4〜7月、日本海で7〜8月
  • 索餌場:温帯域
  • 食性:魚類、頭足類、甲殻類、他
  • 捕食者:まぐろ類、さめ類、シャチ

利用・用途
刺身・すしなど

漁業の特徴
日本の沿岸と太平洋の沖合で、様々な漁法で漁獲されている。沿岸では、ひき縄や定置網により周年にわたり未成魚が、沖合ではまき網により夏季から秋季に未成魚と成魚が漁獲されている。また、春季の台湾東沖から奄美諸島周辺域にかけて、はえ縄で成魚が漁獲されている。1990年以降、まき網による未成魚の漁獲が東シナ海から日本海南西部で増加している。我が国以外では、主として、日本海南西部で韓国が春季から夏季にかけてまき網で漁獲しており、東部太平洋ではメキシコが5〜10月にまき網で漁獲している。メキシコの漁獲したクロマグロのほとんどが養殖原魚となっている。

漁業資源の動向
年間総漁獲量は0.9万トンから4万トンの間で変動している。近年では1981年に3.5万トンを記録した後、1988年に0.9万トンまで落ち込んだ。2000年代以降の漁獲量は1.8〜2.9万トンの間で変動している。2007〜2011年の漁獲量は、北西太平洋で1〜2万トン、東部太平洋で0.3〜0.8万トンと推定されている。

資源状態
ISCが2012年11月に資源評価を実施し、資源評価結果が更新され、1952〜2010年までの資源量が推定された。最近年の漁獲圧(2007〜2009年)は、基準年(2002〜2004年)の漁獲圧に比べて、0歳魚で4%、1歳魚で17%、2歳魚で8%、3歳魚で41%、4歳魚以上で10%増加した。また、現在(2010年)の資源状態は、1952〜2010年に推定された資源量の最低レベルに近く、最近年の漁獲圧は、検討したすべての管理基準を上回っている。将来の漁獲圧を2002〜2004年のレベルまで減らした上で、WCPFC、IATTCの管理措置を確実に実施し、日本が自主的な漁獲制限を継続した場合、2030年までに親魚資源量は実際の将来の加入変動により幅はあるが平均して8.3万トンまで増加すると期待される。

管理方策
現在のWCPFCによる保存管理措置は、2012年の資源評価結果が遅れたため、2012年のWCPFC年次会合で、現行の保存管理措置を1年間継続することが合意された。このため、前年の保存管理措置を持ち越しており、2013年に見直しが実施される。現在の保存管理措置は、努力量が2002〜2004年レベルを下回るよう管理すること(零細漁業を除く)、特に未成魚(0〜3歳)に対する漁獲量が2002〜2004年の平均レベルを下回るように管理すること(韓国を除く)、韓国については未成魚の漁獲を規制するために必要な措置をとることとしている。2012年に開催されたIATTC年次会合では、東部太平洋の漁業に対して2012年、2013年の2年間の合計で10,000トンの漁獲枠が設定され、2012年単年では5,600トンの漁獲枠が設定された。
国内では、水産庁が2010年5月に、太平洋クロマグロの管理強化を図るため、未成魚の漁獲を抑制・削減し、大きく育ってから獲ること、親魚資源量が中長期的に適切な範囲内に維持され、これまでの最低水準を下回らないよう管理することを方針とする「太平洋クロマグロの管理強化についての対応」を公表した。これに基づき、2011年4月から、大中型まき網の総漁獲量を制限する取組及びクロマグロを採捕するひき縄、釣り等の沿岸漁業を対象に自由漁業届出制と漁獲実績の報告制度が導入されたほか、2011年1月からクロマグロ養殖場の登録及び2011年2月からメキシコ産輸入クロマグロの漁獲証明制度の導入が開始された。さらに、2012年10月から養殖場の数やいけすの規模を現状以上に拡大しないこととされた。

資源評価まとめ
  • ISCが資源評価を実施。
  • 資源評価は統合モデルのStock Synthesis(SS)を用いている。
  • 現在(2010年)の資源状態は、推定された1952〜2010年の資源量の最低レベルに近い。
  • 2007〜2009年の漁獲圧が継続すれば、現在の水準からの増加は見込めない。
  • 一方で、WCPFC、IATTCの管理措置と、日本の自主的な漁獲制限を適用した場合、資源の増加が期待される。

資源管理方策まとめ
  • 水産庁が2010年5月に、太平洋クロマグロの管理強化を図るため、未成魚の漁獲を抑制・削減し、大きく育ってから獲ること、親魚資源量が中長期的に適切な範囲内に維持され、これまでの最低水準を下回らないよう管理することを方針とする「太平洋クロマグロの管理強化についての対応」を公表した。
  • 2012年のWCPFC年次会合では、現行の保存管理措置を1年間継続することが合意された。現在の管理措置は、努力量が2002〜2004年レベルを下回るよう管理すること(零細漁業を除く)、特に未成魚(0〜3歳)に対する漁獲量が2002〜2004年の平均レベルを下回るように管理すること(韓国を除く)、韓国については未成魚の漁獲を規制するために必要な措置をとることとしている。
  • 2012年に開催されたIATTC年次会合では、東部太平洋の漁業に対して2012年、2013年の2年間の合計で10,000トンの漁獲枠が設定され、2012年単年では5,600トンの漁獲枠が設定された。