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01 世界の漁業の現状の資源評価について

                                                           
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表1

表1.1人1日当たり動物性タンパク質供給量(資料:FAO Food Balance Sheet)(単位:グラム)


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図1. 世界の漁業生産量の推移(データ:FAO Fishstat Plus)


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図2. 北西太平洋における国別漁獲の動向(データ:FAO Fishstat Plus(海藻を除く))


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図3. 北西太平洋の主要資源の漁獲動向(データ:FAO Fishstat Plus)


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図4.1974年から2010年までの世界の資源利用状況の傾向
緑:漁獲拡大の余地のない資源の割合
青:漁獲拡大の余地のある資源の割合
赤:過剰漁獲の状態にある資源の割合
(データ:FAO The State of World Fisheries and Aquaculture 2012)


1.世界の漁業生産の動向

(1)漁獲及び養殖の生産量

世界の人口は、1950年には約25億人であったが、2011年には約70億人まで増加し、2050年には93億人に達すると予想されている(UN-DESA)。FAOのフードバランスシートのデータによれば、水産物は人類に供給される動物性タンパク質(1人1日当たり31グラム)の約16%を担っている(表1)。以下に述べるとおり、海面漁獲量は近年横ばい傾向であり、需要の増大には内水面漁獲量と養殖による生産量の増大が応えている状況にあるが、それでも、漁獲と養殖を合わせた総生産量の5割以上は海面漁業によることから、海面漁業の対象資源が水産物供給に果たす役割は依然として大きい。

世界の魚介類(海藻類を除く)の漁獲と養殖を合わせた総生産量(図1)は増加傾向を維持しており、2010年には148百万トンを記録した(2011年の暫定値は154百万トン)。このうち、養殖生産量は2010年において60百万トンであり、2001年の35百万トンから平均的には年率6%で増加している。漁獲による生産量(海面+内水面)は、約90百万トン水準で横ばい傾向にあるが、このうち内水面での漁獲は、統計値の信頼性の問題はあるものの、2010年には11百万トンに達しており、2004年より30%増加したとされる。海域(FAOによる区分)別では北西太平洋が最も多く、次いで中西部太平洋、北東大西洋、南東太平洋(チリマアジの減少により順位低下)などが続いている。国別では中国が最も多く、インドネシア、インド、USA、ペルー、ロシア連邦、日本、チリなどがそれに次いでいる。

海面漁獲量は1950年には約17百万トンであったのが、急速に増加し、ピークとなった1996年には86百万トンを記録した。2010年においては77百万トンであり、近年は横ばい傾向である。なお、アンチョビーを除く魚種の海面漁業による漁獲量の変動幅は、過去7年間(2004〜2010年)において72.1〜73.3百万トンの範囲にとどまっていたが、南東太平洋におけるアンチョビーの漁獲が同期間に11百万トンから4百万トンへ減少した。しかしながら、魚種別では依然としてアンチョビーが最も多く、スケトウダラ、カツオ、ニシン、マサバなどがそれに次いでいる。


(2)我が国周辺水域の漁獲動向

我が国周辺を含む北西太平洋における漁獲量は、1980・1990年代においては17〜24百万トンの間で変動し、その後も変動しながら同水準を維持しており、2010年には約21百万トンであった。この漁獲のほとんどは、中国、日本、ロシア連邦、韓国による(図2)。

北西太平洋における主要な魚種(1950〜2010年の平均漁獲量上位10魚種)についてその漁獲量の推移を見ると、1980年代から90年代初期にかけてマイワシやスケトウダラが多獲され、80年代後半には各魚種で5百万トンを超える漁獲量が記録された。しかしながら、マイワシについては90年代に入ると急激な減少を始め、近年は低水準の漁獲量となっており、また、スケトウダラについても90年代に入ってまもなく3百万トンに減少し、2000年代には1百万トン台を推移している。一方、カタクチイワシの漁獲量は80年代までは0.5百万トン以下であったが、90年代半ばに1百万トンを超え、現在もその水準を維持しているとされている(図3)。

なお、かつお・まぐろ類、さけ・ます類をはじめとする各資源の漁獲動向については、それぞれの資源評価をご覧いただきたい。


2.漁業資源の状況

1974年以降2009年までのFAOによる評価において、過剰漁獲の状態にある資源は、1974年の10%から1989年の26%まで増加し、1990年以降もゆるやかながら増加傾向をたどり、2009年では約30%に達している。漁獲を拡大する余地のない資源は、1974年から1985年まで約50%前後で推移し、1989年には43%に減少したが、その後増加傾向となり2009年には57%に達している。漁獲を拡大する余地のある資源の割合は1974年には約40%であったが、2009年には13%まで減少している(図4)。

世界の漁獲量の約30%を占める上位10魚種については、漁獲を拡大する余地がないか、過剰漁獲の状態にあるとされており、漁獲量の多い南東太平洋のアンチョビー2系群、北太平洋のスケトウダラなどは、漁獲を拡大する余地がないとされている。北西太平洋では、タチウオが過剰漁獲の状態と評価されている。

まぐろ類については、2009年において、3分の1は過剰漁獲の状態であり、38%は漁獲を拡大する余地がないとされ、29%はその余地があるとされている。

過剰漁獲の状態にある資源、漁獲を拡大する余地のない資源については、適切な資源管理措置により、資源の回復あるいは維持をはかる必要がある。漁獲を拡大する余地のある資源についても、科学的根拠に基づく的確な資源評価が必要である。現在、各国の科学者が漁業者の協力を得ながら資源状態の分析に尽力し、世界の各水域での資源管理に重要な役割を果たしているが、評価に用いる指標や、生物学的な知見が乏しい資源も多い。我が国は、責任ある漁業国、消費国として、資源状況及び動向要因の把握に努めるとともに、各種の地域漁業管理機関において、従来にも増して積極的なリーダーシップを発揮し、科学的知見に基づく適切な資源管理措置の導入に貢献する必要がある。


執筆者

水産庁 増殖推進部 漁場資源課

西田 宏


参考文献

  1. 世界人口動態
    UN. Department of economic and social affairs
    http://esa.un.org/unpd/wpp/unpp/panel_population.htm
  2. フードバランスシート
    FAO. Fisheries andAquaculture Department statistics
    http://faostat.fao.org/site/368/default.aspx#ancor
  3. FAOによる各統計値(Fishstat)
    FAO.Fisheries and Aquaculture Department
    http://www.fao.org/fishery/statistics/en
  4. FAOによる総説
    FAO.Fisheries and Aquaculture Department
    The State of World Fisheries and Aquaculture -2012
    http://www.fao.org/docrep/016/i2727e/i2727e00.htm