--- 要約版 ---

70 マジェランアイナメ 南極海

Patagonian Toothfish

Dissostichus eleginoides

                                                            PIC1
                                                            マジェランアイナメ. (Fisher and Hureau 1985)

                                                                   PIC2
                                                            マジェランアイナメ漁獲物 (CCAMLR HP)(C)B. Watkins

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図

CCAMLR水域(黄色)と本誌源主分布域(ピンク)、主漁場(青)


図

(CCAMLR水域におけるマジェランアイナメの漁獲量の海域別の年変化 (CCAMLR. 2009)


図

CCAMLR水域におけるライギョダマシの漁獲量の海域別の年変化 (CCAMLR. 2009)



マジェランアイナメ(南極海)の資源の現況

資源水準 低位〜中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
CCAMLR水域1.8〜2.0万トン
平均:1.9万トン
世界全体:2.9〜3.4万トン
平均:3.1万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
CCAMLR水域7〜209トン
平均:127トン


管理・関係機関
南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)

最近一年間の動き
2007/08漁期のCCAMLR水域内のメロ類(マジェランアイナメ・ライギョダマシ)の報告漁獲量は15,813トンで、IUU (違法・無規制・未報告)漁獲量1,168トンを含めると総漁獲量は16,981トンとなる。2007/08年漁期は前年2006/07漁期と比較して2,963トン減少した。CCAMLR水域外の2007/08年漁期漁獲量は12,351トンであり、前年漁期より331トン減少した。IUU操業による推定漁獲量は、2006/07漁期は3,615トンに対し2006/07漁期は1,168トンと大幅に減少している。我が国の2007/08漁期の漁獲量は207トン(マジェランアイナメ124トン、ライギョダマシ83トン)と、前期の208トン(マジェランアイナメ112トン、ライギョダマシ96トン)とほぼ同等であった。

生物学的特性
  • 寿命:約50年
  • 成熟開始年齢:6〜9歳
  • 産卵期・産卵場:6〜9月、南極周辺海域の陸棚斜面水域
  • 索餌場:南極周辺海域の陸棚斜面水域
  • 食性:オキアミ類、魚類、イカ類、甲殻類
  • 捕食者:海産哺乳類

利用・用途
冷凍切身(総菜用)、みそ漬けなどの加工品

漁業の特徴
本資源対象の漁業の始まる前、魚類対象のトロール漁業が1970年頃からサウスジョージア水域、ケルゲレン諸島水域で行われていた。その漁場は1977/1978年以降、サウスオークニー諸島水域の高緯度域へ拡大したが、高い漁獲量は長く続かず、1980年代初期に急減した。その後、代替としてマジェランアイナメとライギョダマシが対象の底はえ縄漁業がサウスジョージア水域、ケルゲレン諸島水域及び南極大陸周辺の陸棚域で始まった。

漁業資源の動向
2007/08漁期のCCAMLR水域内のメロ類の報告漁獲量は15,813(2006/07年漁期16,329)トンで、IUU (違法・無規制・未報告)漁獲量1,168(同3,615)トンを含めると総漁獲量は16,981(同19,944)トンとなる。2007/08年漁期は前年2006/07漁期と比較して2,963トン減少した。CCAMLR水域外の2007/08年漁期漁獲量は12,351(2006/07年漁期12,682)トンであり、前年漁期より331トン減少した。これまで本漁業に対してIUU操業による推定漁獲量が多く、資源状態に悪影響を及ぼしていることが強く懸念され、管理措置上にも大きな問題を抱えていた。そのため、CCAMLRはIUU操業に対する強い対策を講じ、年々減少傾向にある。しかしながら、海域によっては依然とIUU操業による大きな被害が続き、正規漁船の操業の抑制に深刻な影響を及ぼしている。

資源状態
CCAMLR水域全体での資源量調査は行われていないが、本種の主な分布域が陸棚・陸棚斜面域であることから、右下図に示された生息海底深度面積と生物データの組合せで小海区毎に1〜2年毎に資源評価が行われている。但し、日本漁船が主に操業している新規・開発操業域や調査操業域(禁漁域)では充分な資源評価がなされていなく、現在、そのための標識放流調査並びに耳石等生物データの収集の実施が行われており、これらのデータをもとに近い将来より正確な資源評価を行う予定である。

管理方策
CCAMLRの科学委員会の魚類資源評価作業部会が、魚類の資源管理のための科学的検討を行っている。検討方法は海区により異なり、漁獲量とCPUEの動向から判断する場合、標識放流調査から判断する場合、資源動態モデルによるシミュレーションで判断する場合がある。その結果を受けて、CCAMLRが管理措置として取り決める。なお、2009/10年漁期の我が国の新規・開発漁業予定の小海区は5つあり、48.6海区で400トン、58.4.1海区で210トン、58.4.2海区で70トン、58.4.3.a海区で86トン、58.4.3.b海区で72トン(我が国割当は18トン)の漁獲枠が設定されている。また、禁漁区である58.4.4海区では我が国に漁獲枠60トンの調査漁業が認められている。

資源評価まとめ
  • CCAMLR科学委員会の魚類資源評価作業部会で検討を実施
  • 資源は低位〜中位水準、横ばい

資源管理方策まとめ
  • CCAMLRが毎年の漁獲報告データに応じて、その都度、小海区毎に漁獲制限量を算出
  • 漁獲制限の取り決めのない領海区では禁漁措置