--- 要約版 ---

57 カラフトマス 日本系

Pink Salmon

Oncorhynchus gorbuscha

                                                            PIC
                                                            2005年10月幌別川

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図1

日本の漁業におけるカラフトマスの漁獲量経年変化(歴年)


表1

カラフトマスの月別平均尾叉長と平均体重(Ishida et al. 1998より抜粋)


図2

日本系カラフトマスの主たる分布域(高木ら 1982)


図3

カラフトマスの月別平均尾叉長±標準偏差(Ishida et al. 1998より抜粋)と成長曲線


図4

日本系カラフトマスの来遊数と放流数の推移


図5

日本系カラフトマスの回帰数の予測値と実測値の関係



カラフトマス(日本系)資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
-
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.9~2.2万トン
平均:1.5万トン


管理・関係機関
北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)
日ロ漁業合同委員会

最近一年間の動き
カラフトマスの2007年漁期の沿岸での漁獲量は1,340万尾であった。2003年以降,沿岸来遊量は,偶数年が不漁年で奇数年が豊漁年というパターンとなり,この傾向は継続し,2008年は不漁であったが2009年は1,113万尾で豊漁となっている。隣接するロシアでは史上最高の水揚げとなった模様

生物学的特性
  • 寿命・成熟年齢:ほぼ全てが2歳
  • 産卵期:8月〜10月
  • 産卵場:北海道北東部に流入する河川
  • 索餌期・索餌場:夏期・北西太平洋
  • 食性:水生昆虫・落下昆虫(河川)、動物プランクトン・マイクロネクトン(海洋)
  • 捕食者:ウトウなど海鳥・ウグイなど魚類(幼魚)、ネズミザメなど大型魚類・オットセイなど海産哺乳類(未成魚・成魚)

利用・用途
用途は広く、塩蔵品、生鮮、缶詰等がある。魚卵製品として、すじこがある。

漁業の特徴
主に北海道北東部沿岸の産卵河川周辺で夏〜秋季に定置網で漁獲される。広く北太平洋を回遊するが、北太平洋公海のさけ・ます漁業は禁止されている。他国経済水域内での漁獲量は不明である。

漁業資源の動向
1970年代から沖合域の漁獲量は減少し、沿岸域の漁獲量が増加した。沿岸漁獲尾数は1990年代に急増し、偶数年と奇数年の漁獲量の差も広がった。しかし、2003年以降、偶数年・奇数年で豊凶が見られるもののその差は小さくなった。2008年は不漁年で,沿岸漁獲量は約1,100トン(602万尾)であった。2009年の沿岸漁獲量は1,113万尾(速報値)で,豊漁年としては平均的な値となっている。最近5年間の漁獲量は0.9〜2.2万トン(6.1〜13百万尾)である。

資源状態
稚魚放流数は1980年代から約1.3億尾で安定しているが、回帰数(沿岸漁獲+河川捕獲)は、1970年代後半〜1980年代前半の約1百万尾から、1990年代には5百万尾以上となった。1994年以降、回帰数は5.9〜15百万尾程度で年変動が非常に大きくなった。過去の調査結果の推移からも、現在の水準は高位で横ばい傾向にある。

管理方策
カラフトマスの再生産関係は偶数年と奇数年で回帰傾向が異なることから、それぞれの平均値から回帰数を予測し、現在の資源水準が維持できる河川遡上数を獲り残すという、産卵親魚量一定方策とした。今後は、放流効果と自然再生産量の定量的な評価を行い、索餌域である北太平洋の生物生産も考慮した資源管理方策を開発する必要がある。

資源評価まとめ
  • 偶数年、奇数年の回帰傾向と平均値より回帰数を推定
  • 偶数年、奇数年の回帰傾向が変化
  • 資源は高位水準、横ばい傾向

資源管理方策まとめ
  • 現在の資源水準の維持が管理目標
  • 一定の産卵親魚量を獲り残すことが必要
  • 自然再生量と放流効果の把握が必要