--- 要約版 ---

48 ミンククジラ オホーツク海―西太平洋

Common Minke Whale

Balaenoptera acutorostrata


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図

ミンククジラ(オホーツク海-西太平洋系群)の分布図


図

ミンククジラ(オホーツク海-西太平洋系群)回遊経路(春〜夏) (Hatanaka and Miyashita (1997)を改変)


図2

北西太平洋でのミンククジラの捕獲頭数



ミンククジラ(オホーツク海―西太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 増加傾向
世界の漁獲量
(最近5年間)
なし
我が国の漁獲量
(最近5年間)
捕獲調査により年間160頭
(2005年以降)


管理・関係機関
国際捕鯨委員会(IWC)

最近一年間の動き
国際捕鯨委員会(IWC)による第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPN U)のレビュー会議が2009年1月に実施された。

生物学的特性
  • 50歳以下
  • 成熟開始年齢:6〜8歳
  • 繁殖期・繁殖場:12〜1月、低緯度海域
  • 索餌期・索餌場:夏、オホーツク海
  • 食性:サンマ、カタクチイワシ、スケトウダラ、オキアミ
  • 捕食者:シャチ

利用・用途
刺身、ベーコン、工芸品など

漁業の特徴
本系群は1987年まで、小型捕鯨業により商業的に捕獲されてきた。1988年以後はモラトリアムとなり、商業捕鯨は停止しているが、1994年から毎年国際捕鯨取締条約に認められた特別捕獲を行っている。近年、沿岸の定置網で、毎年百頭以上の混獲が報告されている。

漁業資源の動向
国際捕鯨委員会の改訂管理方式の試行実験で想定された仮説を検証する目的で、特別捕獲を1994年から1999年まで実施し、毎年100頭を上限に捕獲した。2000年から、北西太平洋における鯨類と餌生物を巡る生態系の解明を目的とした捕獲調査の予備調査を実施し、同様に100頭を上限に捕獲している。2002年からは、本格調査となり沿岸の50頭を加え合計150頭を捕獲している。さらに、2005年からは沿岸の捕獲調査を鮎川と釧路の2カ所でそれぞれ60頭を上限に捕獲し、沖合の100頭を加え合計220頭が捕獲されている。

資源状態
ヒッター・フィッターを用いた解析によると、現実的な仮定のもとで、資源は増加傾向を示しており、1999年の成熟雌は初期資源に比して70%以上の大きさを持つと考えられており、資源は比較的高位にあると判断することができる。また、資源は近年増加傾向にあるということが示されている。

管理方策
本系群の商業捕獲は資源状態にかかわらず停止状態にある。1993年京都で開かれた国際捕鯨委員会に仕様書が提出された改訂管理方式には、フィードバック管理の考え方が意識的に取り入れられており、徹底したシミュレーションテストを通して様々な不確実性のもとでも安全な管理が行えるものとなっている。本系統への改定管理方式の適用試験は2003年に終了し、極端に安全性を見込んだケースも含めた平均で150頭程度(レンジは63頭―311頭)の商業捕獲枠が試算された。

資源評価まとめ
  • 本系群の個体数は約25,000頭
  • 資源は増加傾向
  • 少なくとも150頭以上の商業捕獲枠

資源管理方策まとめ
  • 資源状態にかかわらず商業捕獲は停止されている。
  • 改定管理方式が作られ、適用試験が終了した。
  • 大きな不確実性のもとでも安全な管理が可能である。