--- 要約版 ---

21 メカジキ 北太平洋

Swordfish

Xiphias gladius

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図

太平洋におけるメカジキの分布域
中西部太平洋域は黒線で示した赤道以北、東部太平洋系群との境界線は青い点線で示した。


図

北西太平洋のメカジキの成長曲線(Sun et al . 2002)


図1

北太平洋(赤道以北)における我が国の漁業種別漁獲量


図2

北太平洋における我が国の漁業種別漁獲量


図8

プロダクションモデル解析の結果
(左図は、開発可能な資源量(黒丸、1952−2006年)、最大持続生産量の生産に必要な資源量(BMSY)、および2002−2006年の平均漁獲率を仮定した2007−2011年の予測漁獲量(白丸)を示し、右図は、漁獲率(黒丸, 1952−2006年)および最大維持生産量(HMSY)を示している。両図とも、95%信頼限界を破線で示してある。



メカジキ(北太平洋)資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 安定
世界の漁獲量
(最近5年間)
11,700〜14,600トン
平均:13,300トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
7,800〜9,200トン
平均:8,400トン
管理目標 検討中
資源の状態 資源状態は健全であり、近年の漁獲量を維持するために十分な水準にある
管理措置 なし
管理機関・関係機関 ISC, WCPFC


管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
北太平洋におけるまぐろ類及びまぐろ類似種に関する国際科学委員会(ISC)

最近一年間の動き
北太平洋メカジキ資源は、従来赤道以北の北太平洋が資源の分布域とされてきたが、ISCにおいて、近年発表された太平洋メカジキのDNA解析結果のレビュー、および日本のはえ縄漁業のCPUEの分布パターンの解析結果から、東部太平洋域の群は別資源として扱うこととなった。更に、この結果を基に、ISCで新しい資源評価が行われた。

生物学的特性
  • 寿命:15歳以上
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年、熱帯・亜熱帯水域
  • 索餌期・索餌場:秋から冬、温帯域
  • 食性:魚類・頭足類
  • 捕食者:調査中

利用・用途
切り身(ステーキ)、刺身、寿司、煮付け

漁業の特徴
漁獲の半分以上は、本種を主対象に浅く漁具を設置する夜間のはえ縄で漁獲するが、大目流し網、突きん棒、まぐろ類を狙うはえ縄の混獲でも漁獲する。本資源の主要漁獲国は日本で、1970年代には全体の9割程度を漁獲したが、近年米国や台湾の漁獲増のため、4割程度に落ち込んだ。

漁業資源の動向
ISCに報告された漁獲量は北太平洋に於けるメカジキ漁獲は、1960年前後に2万トンを上まわったが、その後急激に減少し、1万トン前後に落ち込んだ。しかし1980年代以降米国及び台湾の漁獲増により、全体で1.5万トン以上になった。漁獲統計はまだ不十分なので今後更に整備する必要がある。2000年代に入ると、台湾の漁獲量が増加したものの、米国やメキシコの漁獲量が減少したために、総漁獲量は再び減少している。
我が国の漁獲量は、1980年代後半に1万トンを超えるまでに増加したが、1994年以降一貫した減少傾向を続け、2001年には6,800トンにまで減少し、その後は7,000〜8,000トンの漁獲が続いている。1990年代の漁獲量の減少は、遠洋・近海はえ縄による漁獲の減少によるものである。漁業種別の漁獲量では遠洋・近海はえ縄が全体の7割以上を占め、残りを沿岸はえ縄、突きん棒、大目流し網等が漁獲している。

資源状態
東部太平洋北部水域の群れは、従来北大西洋中西部と同じ系群であると考えられていたが、2009年2月に行われたISCカジキ類作業部会で、既存の情報をレビューした結果、両者が複数のDNA解析結果で系群が異なっていることが示唆されていること、両海域ではえ縄漁業のCPUEトレンドが異なることから、両者は系群が異なっていると判断された。これを受けて、日本のはえ縄漁業のCPUEの解析を行うことで、両者の間の境界を図3に示した様なラインとすることで合意した。
2009年5月に行われたISCカジキ類作業部会で、日本の遠洋・近海はえ縄漁業、台湾の遠洋はえ縄漁業、及び米国ハワイ基地のメカジキを対象としたはえ縄漁業のCPUEを標準化して求めた資源量指数と各国から報告された漁獲量に、ベイジアン・プロダクションモデルを適用して行った。プロダクションモデル解析の結果から、解析を行った期間のほぼ全てにおいて、漁獲対象となっていた資源の水準はMSYレベルを上回っており、開発率は解析期間を通じてMSYに要する水準を下回っていた。
最近年(2004〜2006年)の平均の開発率を用い、各漁業の操業パターンに大きな変化がないと仮定して行った将来予測を行ったところ、漁獲可能資源量の水準はBMSYを維持し、近年の漁獲量水準を維持するために十分であることが判った。
以上から、本資源の資源状態は健全であり、近年の漁獲量を維持するために十分なレベルである事と考えられる。

管理方策
本資源を維持管理する目的の規制措置は存在しない。しかしながら近年中西部太平洋域のメバチ資源の状態が悪化しているため、メバチを対象として操業していた漁船が主対象魚種を本資源に変更する可能性があるので、注意する必要がある。

資源評価まとめ
  • 本資源の資源状態は健全であり、近年の漁獲量を維持するために十分なレベルである。

資源管理方策まとめ
  • 資源評価はISCにおいて実施
  • ベイジアン・プロダクションモデルにより資源評価
  • 資源は高位安定