--- 要約版 ---

15 キハダ 南太平洋

Yellowfin Tuna

Thunnus albacares

                                                                                PIC
[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]
図3

大西洋におけるキハダの分布域


図1

大西洋におけるキハダの漁法別漁獲量の変遷(上図) 大西洋におけるキハダの国別漁獲量の変遷(下図)


図5

大西洋キハダの成長


図6

年齢別漁獲尾数、およびプロダクションモデルで推定した本資源の資源量と FのMSYを与える値との比


図8

大西洋における流れ物操業もしくは表層漁業のモラトリアム実施海域。 赤斜線部:11〜1月、流れ物を利用したまき網の禁漁域、1997〜2004年、青点:11月、 すべての表層漁業の禁漁域、2005年〜。



キハダ(大西洋)資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
10.0〜12.0万トン
平均:10.8万トン (2004〜2008年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
4.2〜9.0千トン
平均:6.2千トン (2004〜2008年)


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会 (ICCAT)

最近一年間の動き
2008年の総漁獲量は10.7万トン(予備集計)で前年の108 %。資源評価は2008年7月に行われ、MSYは13.1から14.7万トンと推定され、2006年当初の産卵資源量はMSYレベル周辺(B2006/BMSY=0.826 - 1.086)。近年(2006)のFはMSYレベルより小さい(F2006/Fmsy = 0.837 - 0.891)と推定された。資源管理措置として、漁獲努力量を、1992年レベルを超えないようにする。ギニア湾の一部海区における11月中の表層漁業の操業禁止。

生物学的特性
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:分布域に等しい
  • 食性:魚類・甲殻類・頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身、すし、缶詰など

漁業の特徴
主な漁業国はフランス、スペイン、ガーナ等である。日本はすべてはえ縄漁業でメバチ等とともに漁獲している。フランスとスペインはまき網、ガーナは竿釣りが主体である。1975年頃から、漁獲はまき網漁業が主体となっている。漁場は熱帯域を中心に広く分布し、まき網と竿釣りではギニア湾が主漁場である。漁業は周年行われている。

漁業資源の動向
本資源の漁獲量は1973年までは10万トン以下の水準だったが1974〜1983年に急増した。この増加は大部分がまき網漁業による。1985年以降は、若干の変動をしながら10〜19万トンで推移している。近年は全体の漁獲量は減少傾向で、漁法別では、竿釣り漁業はほぼ横ばい、まき網は減少、はえ縄は変動を伴う横ばいである。日本の漁獲量は、近年減少傾向だったが、2004年および2007年にやや増加している。

資源状態
年齢別漁獲尾数によるモデルで推定の資源量では、親魚量は近年やや減少している。年齢別漁獲尾数によるモデルと資源量・余剰生産量によるモデルで推定のMSY(最大持続生産量)(2006年時点)は13.1〜14.7万トンで、平均すると現状(2008年)の漁獲(1079万トン)を上回る。また、漁獲死亡係数FもMSYを与える値(FMSY)よりやや低いと推定された。従って、資源状態は比較的健全であるが、努力量を以上増すと、資源量を減らす可能性がある。

管理方策
1973年に「3.2 kg未満のキハダの漁獲尾数は全体の15%以下とする」と勧告されたが、遵守されなかった。この勧告は、2005年に廃止が決定された(2006年より施行)。1993年のICCAT通常会合(本会合)では、「有効漁獲努力量は1992年レベルを超えないように」と勧告している。1997年末期以降、東大西洋で、小型まぐろ類の混獲減少のためにまき網漁業の流れ物操業のモラトリアムが実施されていた。これに代わり、2004年のICCAT行政官会議では、11月のギニア湾の一部ですべての表層漁業の操業禁止が勧告された。

資源評価まとめ
  • 資源評価はICCATが実施
  • 資源量と余剰生産量によるモデル、年齢別漁獲尾数によるモデルで資源評価
  • 資源は比較的健全な状態である

資源管理方策まとめ
  • 小型魚漁獲規制(3.2 kg未満の漁獲尾数は全体の15%以下とする(1973年勧告))を実施(2006年に廃止)
  • 有効漁獲努力量は1992年レベルを超えないようにする(1993年勧告)
  • 1997年より時期と海域を指定して(図参照)流れ物を利用した操業のモラトリアムを実施。 2005年より、これに代わり、一部の海域で全ての表層漁業の禁止。