--- 要約版 ---

13 キハダ 中西部太平洋

Yellowfin Tuna

Thunnus albacares

                                                                                    PIC

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図

太平洋におけるキハダの分布


図1

中西部太平洋におけるキハダの漁法別漁獲量年変化


図

中西部太平洋キハダの年齢と成長 矢印はほぼ全ての個体が成熟する体長(尾叉長120 cm)を示す


図

MULTIFAN-CLで推定された加入量(上)と資源量(下)の傾向 (千トン、影の部分は95%信頼限界)(Hampton et al., 2007)


図

MULTIFAN-CLで推定された各漁業の本資源への影響 (Langley et al. 2009) 縦軸は漁業が資源を減少させた割合(%)を示したもの。はえ縄(青)、まき網素群れ(赤)、 まき網流れ物(黄)、フィリピン・インドネシアの漁業(緑)、その他(灰色)



キハダ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
37.8〜54.1万トン
平均:44.6万トン(2004〜2008年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
4.4〜4.9万トン
平均:4.6万トン(2004〜2008年)


管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)

最近一年間の動き
1997年以降、中西部太平洋(WCPFC条約水域)におけるキハダ漁獲量は、40万トンから46万トンで比較的安定しているが、2008年の漁獲量539,481トンは歴史的に突出した最高漁獲であり、この増加は主として巻き網の漁獲増加に由来している。2009年には中西部太平洋における本種の資源評価が実施された。

生物学的特性
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌場:分布域に等しい
  • 食性:魚類・甲殻類・頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身、缶詰、練り製品の原料

漁業の特徴
本資源の主要な漁業は大洋のやや深い水深帯(100〜250 m)の魚群が対象のはえ縄と、表層付近の魚群が対象のまき網・竿釣りである。従来は、はえ縄の漁獲が大勢を占めたが、1980年代からまき網漁業が熱帯水域で発達し、その漁獲量は他漁業を遥かに凌駕した。フィリピン・インドネシアでは小型まき網、ひき網、竿釣り、手釣りなど漁業が小規模かつ多様で、漁獲量も大きく、増加傾向にある。

漁業資源の動向
本資源のはえ縄漁業は1950年代初頭にキハダを主な対象種として発展し、1970年代半ばにその主な対象をメバチに換えた。本資源の大規模な産業的まき網漁業は1980年代初めに、カツオを主要な対象種としつつ多くのキハダも漁獲する漁業として発達した。まき網漁業の発展は、インドネシアとフィリピンによる漁獲の増加と相まって、1980年から1990年の間に中西部太平洋でのキハダの漁獲を20万トンから40万トンへと倍増させた。この10年、年間の漁獲の40〜60%はまき網で漁獲されている。2008年のまき網漁獲量は325,904トンはこれまでの最高漁獲よりも64,000トン(25%)も上回った。

資源状態
2007年の資源評価の結果、ベースケースでは、Fcurrent / FMSY は0.54〜0.68と推定され、WCPOにおけるキハダ資源に対する漁獲努力の状態はMSYレベルを超えて(overfishing)おらず、平衡状態において資源はMSYを達成できるレベルよりも十分上にある ( Bfcurrent / BMSY 1.39〜1.59 and SBFcurrent / SBMSY 1.50〜1.79)ことを示している。Bcurrent / BMSY と SB current / SB MSY は1.0よりもかなり高い (1.41〜1.67と 1.46〜1.88)と推定され、現在の資源状態はMSYレベルを下回った(Overfished)状態にもないと考えられる。
MSYの推定値は、552,000~637,000トンであり、推定された近年のキハダ漁獲量よりもかなり高い。楽観的なモデルでは、キハダ資源は近年の漁獲レベルの下で、長期にわたる平均生産を潜在的に維持しうることを示唆するが、近年(1998~2007年)の推定加入はMSYの推定値の算出に用いた長期平均レベルでの加入よりもかなり低く(80%)、今後の動向には注意が必要である。

管理方策
キハダ資源に関する直接的な管理措置ではないが、2008年12月に開催されたWCPFC本会合において、メバチの資源管理措置の導入が採択された。その中のまき網に関わる以下の管理措置については、特に小型のキハダの漁獲に対しても影響をもたらすと考えられる。なお、2009年12月に開催された年次会合において2010年の措置が決定され、来年の年次会合で管理措置について全面的に見直すこととなった。
【まき網漁業】
  • 2010年:(a)集魚装置を用いた操業の3カ月間禁止、 (b)ポケット公海禁漁、(c)100%オブザーバー乗船

資源評価まとめ
  • WCPFCからの委託により、SPC(南太平洋委員会)のOFP(Oceanic Fisheries Programme) が実施
  • 統合モデルであるMULTIFAN-CLにより評価
  • 資源水準は中位で横ばい