--- 要約版 ---

06 大西洋クロマグロ 西大西洋

Atlantic Bluefin Tuna

Thunnus thynnus

                                                        PIC
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図

大西洋クロマグロの分布域と主要漁場、産卵場。 索餌場は産卵場を除く分布域。 縦太線は東西の系群の区分。


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大西洋クロマグロ(西系群)の成長曲線。図中の矢印は成熟体長を示す。


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本資源の年別漁法別漁獲量(上)と年別国別漁獲量(下)。漁獲量には投棄分も 含まれる。(データ:Anon. 2007)


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本資源の親魚資源重量の経年変化


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本資源の加入量(1歳の尾数)の経年変化



大西洋クロマグロ(西大西洋)資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
1.6〜2.1千トン
平均:1.9千トン
(投棄を含む)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
265〜492トン
平均:376トン


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

最近一年間の動き
大西洋クロマグロ西系群(西大西洋クロマグロ)の漁獲量は、1982年に漁獲規制導入後で最大の漁獲量(3,319トン)であった2002年以降減少し、2008年の漁獲量は2,015トンとなった。この減少は、米国の不漁が主な原因である。2010年のTACは、1,800トン(日本は311トン)となっている。大西洋クロマグロの最新の資源評価は、2008年6月に大西洋まぐろ類保存委員会(ICCAT)大西洋クロマグロ資源評価委員会において実施された。親魚資源量は、1970年から1990年代初頭にかけて減少し、1985年以降横ばいで推移している。2007年の親魚資源量は1970年の19%である。資源状態の悪化や実効性のないICCATの資源管理を理由に2009年10月13日にモナコが大西洋クロマグロ(東西両系群)をCITES(ワシントン条約)の附属書I(国際取引の禁止)の対象に加えることを正式に提案した。これを受けて、2009年10月にICCATの科学委員会(SCRS)おいて特別会合が開かれ、本種の資源状態とCITES附属書Iの生物学的掲載基準(付則1)への適合についての検討が行われた。2010年3月にCITES締約国会議において附属書I掲載の是非が決議される見込み。

生物学的特性
  • 寿命:20歳以上
  • 成熟開始年齢:8歳
  • 産卵期・産卵場:5〜6月、メキシコ湾
  • 索餌場:北緯35°以北の北大西洋
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身・すしなど

漁業の特徴
主な漁業国では、日本ははえ縄のみを、米国は釣りを主体にはえ縄・まき網を、カナダは釣りを主体にはえ縄の操業をする。漁期は日本が11〜3月、米国が主に7月〜11月、カナダは8〜11月である。

漁業資源の動向
漁獲量は1981年までは5,000トン前後で推移したが、漁獲規制により1983年以降ほぼ2,500トン前後となり、2002年から2007年にかけて3,319トンから1,638トンに減少した。2008年の漁獲量は若干増加し、2015トンとなった。2003年以降の漁獲量の減少は、米国での不漁が主な原因である。

資源状態
親魚資源量(8歳以上)は1970年以降減少を続け、1990年代にいったんその傾向が止まった。しかし、1998年以降わずかに減少傾向が見られ、2007年の親魚資源量は1970年の19%となっている。加入尾数(1歳魚)は1976年以降低いレベルで安定している。

管理方策
1998年にICCATは2018年までに50%以上の確率で最適な資源状態に回復させるという計画を決定した。しかし、同科学委員会は2008年の資源評価において、親魚資源量の回復ペースは当初の計画よりも遅いため、今後これ以上TACを増加させず、50%よりも高い確率(例えば75%)で資源回復を実現するTACの採用を推奨した。2008年の年次会合において、2010年のTACは1,800トン(我が国は311トン)と定められた。また他の規制として、115 cm(または30 kg)未満の漁獲量制限(国別に10%、経済行為禁止)、産卵場(メキシコ湾)における産卵親魚を対象とした操業の禁止および漁獲証明制度(CDS: Catch Documentation Scheme)が実施されている。

資源評価まとめ
  • 資源評価はICCATの科学委員会において実施
  • 親魚資源量は低位でやや減少傾向
  • 加入尾数は低いレベルで安定
  • 不確実性は大きく資源水準は不明

資源管理方策まとめ
  • 2018年迄に50%以上の確率で最適な状態に回復させる
  • 2010年のTACは1,800トン
  • 小型魚漁獲制限
  • 漁期・漁場の制限