--- 要約版 ---

68 ニュージーランドスルメイカ 南太平洋(ニュージーランド海域)

Wellington Flying Squid

Nototodarus sloanii

オーストラリアスルメイカ 南太平洋(ニュージーランド海域)

Gould's Flying Squid

Nototodarus gouldi

                             PIC
                             ニュージーランドスルメイカ                                                             オーストラリアスルメイカ

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図

本資源の分布図 (Martin et al. 1985を改変)


図

ニュージーランドスルメイカ(上)、およびオーストラリアスルメイカ(下)の成長 (Uozumi et al. 1995より)


図

本資源の国別漁獲量 (データはFAO 2007、ただし、2006および2007年は全国大型いかつり漁業協会の操業状況週報よる いか釣り漁による漁獲量)


図

ニュージーランド海域における日本トロール船のCPUE


図

本資源の管理海域



ニュージーランドスルメイカ類(南西太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
8万〜14万トン
平均:10.6万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1,8500〜3,9452トン
平均:3,274トン


管理・関係機関
ニュージーランド政府

最近一年間の動き
当海域で2008年に2隻の我が国いか釣り漁船が操業し、約1,300トンの漁獲量を揚げた。各国による本資源の総漁獲量は12万トンを超え中位水準にあり、これら外国船の動向の把握も必要である。その一方、最近年、ニュージーランド政府によって外国人の労働条件が変更され(最低賃金の上昇)、外国人船員を多く雇用する台湾や韓国船などの入漁が減少した。

生物学的特性
  • 寿命:1歳
  • 成熟開始年齢:約6〜8ヶ月
  • 産卵期・産卵場:周年;主に冬、ニュージーランド南島南岸および東岸の陸棚上 (ニュージーランドスルメイカ)、南北両島間の西岸陸棚上 (オーストラリアスルメイカ)
  • 索餌場:陸棚上
  • 食性:中深層性魚類、おきあみ類・いわし類
  • 捕食者:海鳥類、あざらし、さめ類等

利用・用途
するめ、いかめし、刺身(塩辛を除く、日本のスルメイカと同様な加工原料)

漁業の特徴
ニュージーランド海域の総称"ニュージースルメ"はニュージーランドスルメイカとオーストラリアスルメイカの2種を含む。かつては二国間協定に基づく操業で主要な漁業国は日本だったが、1990年にニュージーランド政府は日本のイカ釣船への割当量を廃止した。そのため、日本の漁獲量は激減し、ニュージーランドの水揚げ量が急増した。

漁業資源の動向
総漁獲量は変動が大きく、1980年代中頃〜1990年代中頃に10万トンを超えた後、減少したが、2004年には10万トン台となり、ここ数年は中位で安定傾向にある。

資源状態
一般に、単年性のイカ資源は、毎年新たに加入が決まるため、大きな年変動をする。本資源もトロール船といか釣船それぞれのCPUE(曳網時間当たりの漁獲量と船一日当たりの漁獲量)はかなりの年変動を示す(上図左)。規模は異なるが、両漁法のCPUEの変動はほぼ一致し、特に、1990年(1989/1990年)漁期以降で両者とも増加し、1995年(1994/1995年)漁期にピークが見られ、それ以降は減少している。いか釣船のCPUEは1990年代中頃から最近までの10年間は低位であったが、2000年(1999/2000年)漁期以降、増加傾向が見られた。トロール漁によるCPUEはこの10年間は中位水準で安定していた。

管理方策
ニュージーランドは1978年に200海里水域制度を施行し、本資源は同国政府の管轄下に入った。当初、同政府はトロール漁業を漁獲量規制し、いか釣漁業は努力量(隻数)を規制した。しかし、同じ資源に対する管理法策の統一を行い、現在ではイカ釣漁業にも漁獲量規制を実施している。現在、本資源は北側のSQU 10T、東西のSQU 1JとSQU 1T及び南のオークランド諸島のSQU 6Tの4ストック(右上図)に個別のTACC(商業漁獲可能量)が決められている。イカ類のような単年性の生物資源の維持で、MSYの推定は不可能で必要もない、との考えによる。現状の漁獲規模では将来の加入量や資源量に影響を与えないと考えられる。そのため、本資源のTACCはここ10年間に大きな変化はなく12.7万トンである。TACCに基づき配分される個別譲渡可能漁獲割当量(ITQ)は、SFMC(イカ漁業管理会社)が管理する。南部海域のオークランド諸島のSQU 6Tストックは、雑魚の混獲が少ないイカ狙いのトロール操業が中心となる。このため、この海域ではトロールによるニュージーランドアシカの混獲が発生し、ニュージーランドの漁業省と環境省は毎年その混獲数の限度を設定している(2006-07年は93頭)。

資源評価まとめ
  • ニュージーランド政府は現在のところ直接の資源評価は実施していない
  • 資源水準は中位で安定傾向

資源管理方策まとめ
  • 4つのストックについてTACCを決定
  • ITQはSFMCが管理
  • 鰭脚類のトロールによる混獲を規制