--- 要約版 ---

65 アカイカ 北太平洋

Neon Flying Squid

Ommastrephes bartramii

                                                                        PIC
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図

アカイカ春冬生まれ群(左)と秋保まれ群(右)の分布図


図

アカイカの成長曲線(Yatsu 2000)


図

北太平洋アカイカ国別総漁獲量 中国の漁獲量は、1994年は我が国と同程度と仮定し, 1995〜2004年はChen et al. (2007)による。 2005年以降はデータなし。台湾の漁獲量は2004年以降データなし。


図

東経170度以東のアカイカ秋生まれ群の我が国の漁獲量とCPUEの経年変化


図

商業流し網時代の秋生まれ群の資源量の推定値


図

170E以西のわが国のアカイカ冬春生まれ群の漁獲量とCPUEの経年変化


表

アカイカ170E以東の秋生まれ群のMSYレベル



アカイカ(北太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
0.3〜11.3万トン
(秋生れ系群・冬春生れ西部系群)
平均5.2万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.5〜2.8万トン
(秋生まれ系群・冬春生まれ西部系群)
平均1.6万トン


管理・関係機関
北太平洋の海洋科学に関する機関(PICES)

最近一年間の動き
2008年は、沖合に分布する秋生まれ群を対象にした漁獲が前年に引き続き比較的好漁であった。日本近海の冬春生れ群については、2008年の流し網調査によると、今漁期(2007/08)も前漁期同様に好漁が期待される。

生物学的特性
  • 寿命:1歳
  • 成熟開始年齢:約10ヶ月
  • 産卵期・産卵場:秋〜春、南西諸島〜小笠原諸島、ハワイ諸島
  • 索餌期・索餌場:春〜冬、亜寒帯境界〜移行領域
  • 食性:橈脚類、魚類(ハダカイワシ類中心)、頭足類、甲殻類
  • 捕食者:メカジキなど

利用・用途
冷凍ロールイカ、総菜

漁業の特徴
我が国では170°E以西を釣り漁場、以東を流し網漁場とする規制を1979年から実施している。釣り漁業は縮小したが、流し網漁業は1980年代には重要となり、韓国と台湾も参入した。しかし、公海流し網漁業は混獲を主因とする国連決議により1992年末をもって停止となった。その後、日本近海で釣り漁業が復活し、170°E以東にも出漁するようになった。最近は、中国や台湾の漁船も日本近海で操業している。

漁業資源の動向
かつては流し網漁業により、各国の総計で20〜35万トンが毎年漁獲されていた。1994年以降は釣り漁業により1〜7万トン前後が漁獲され、そのうち約0.2〜2万トンが170°E以東の旧流し網漁場で漁獲されている。最近は、中国や台湾の釣り漁船が我が国の200海里内外で操業しており、中国船の隻数は数百隻と言われ、漁獲量は1995〜2004年には7〜13万トンに及ぶ。

資源状態
170°E以東の秋生まれ群については、旧流し網漁場(170°E〜145°W)の盛漁期(7月)の資源量を商業流し網と調査流し網データを用いて3つの方法で推定した。流し網時代の資源量は、面積密度法では38万トン、除去法では37万トン、非平衡プロダクションモデルでは33万トンと推定され、いずれの手法でも非常に似た資源量推定値が得られ、信頼性は高いと考えられる。1999〜2002年は、レジームシフトにより資源が非常に低水準になったが、その後回復傾向にある。170°E以西の冬春生まれ群については、我が国の1979年の釣り漁業データに基づく除去法から14万トンの資源量と推定されている。中国の最近の釣り漁業データに基づく除去法からも約10万トンの漁獲が相対逃避率40%前後に相当すると計算されるので、概ね妥当な資源量推定値であろう。

管理方策
170°E以東の秋生まれ群について、プロダクションモデル解析によると商業流し網による漁獲量(10〜20万トン)はMSYレベルであり、また漁獲せずに残した親イカ量の割合は、管理目標値40%にほぼ相当する。従って、当面の妥当な漁獲量目標は、MSYの約16万トンである。170°E以西の冬春生まれ群については、除去法によると中国の釣りによる漁獲量約10万トンは適正漁獲で、管理目40%にほぼ相当する。従って、当面の妥当な漁獲量目標は、MSYの約10万トンである。

資源評価まとめ
  • 170°E以東の秋生まれ群の妥当な漁獲量目標は、MSYの約16万トン程度である
  • 170°E以西の冬春生まれ群については、妥当な漁獲量目標は約10万トン程度である

資源管理方策まとめ
  • 非平衡プロダクションモデル、面積密度法および除去法により資源評価
  • 資源横ばい