--- 要約版 ---

28 クロカジキ 大西洋

Blue Marlin

Makaira nigricans

                                                        PIC
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図

クロカジキ(大西洋)の分布


図

本資源の国別漁獲量 (データ: ICCAT 2006b) 2006年は暫定値


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本資源の漁法別の漁獲量 (データ: ICCAT 2006b)2006年は暫定値


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複合資源量指数、3つの異なる手法による標準化を表示(ICCAT2006)


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プロダクションモデル解析結果、青線は前回の解析、赤線は今回アップデート(ICCAT 2006、一部改変)



クロカジキ(大西洋)資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
2,100〜3,500トン
平均:2,850トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
440〜900トン
平均:570トン


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会 (ICCAT)

最近一年間の動き
本資源の豊度が低水準にあり、多くの場合、混獲として漁獲されていることから、生きて漁獲された個体を放流する漁船が増えている。

生物学的特性
  • 寿命:調査中
  • 成熟開始年齢:2〜4歳
  • 産卵期・産卵場:夏〜秋、熱帯・亜熱帯域
  • 索餌期・索餌場:夏、温帯域
  • 食性:魚類(特にサバ類)、頭足類
  • 捕食者:調査中

利用・用途
刺身、切り身(ステーキ)、ソテー

漁業の特徴
本資源が主対象の漁業は米国、ベネズエラ、バハマ、ブラジル等のスポーツフィッシングとカリブ海諸国やアフリカ西岸諸国の沿岸零細漁業であるが、漁獲量の大部分は台湾、日本、ブラジル等のまぐろ類等が対象のはえ縄漁業の混獲で、量は少ないが熱帯域のまき網漁業でも漁獲される。

漁業資源の動向
1960年代に急増した総漁獲量は1963年の最高の9千トン以上から急減し、1970年代には2千トン前後となった。その後、1997年には5千トンまで達したが、中心を占めていた遠洋はえ縄漁業の漁獲減により2004年には2千トン台となった。カリブ海諸国、アフリカ西岸諸国、ブラジルの零細漁業による漁獲の急増により、2005年には総漁獲量は増加した。2006年の漁獲量は2,142トンと再び減少している。

資源状態
2006年、ICCATのSCRS(科学委員会)で加盟国研究者の共同で資源評価を実施した。過去の資源量指数の推定方法に問題が発見されたため、各国から提出された近年の資源量指数と総漁獲量のトレンドの解釈を主とし、その補足として、前回の資源評価で用いた非平衡プロダクションモデル解析を、推定されたパラメータを固定したまま1990年以降のデータを更新して行った。はえ縄漁業の主要4カ国のデータから作成した資源量指数は、1990年以降減少していたが、最近年(2001〜2004年)では資源豊度の減少傾向が緩やかになったか、あるいは止まった事を示している。プロダクションモデル解析では、最近の資源量はMSYを生産するために必要な水準よりもよりもかなり低く、一方、近年の漁獲死亡係数は、MSYを生産するために必要な水準や2000年に予測された水準よりは大きいものの減少傾向にある事が示唆された。しかし現在の規制は導入から4年しかたっておらず、その効果を判定するには、少なくともあと4〜5年間のデータが必要と予想される。

管理方策
現行の大規模商業漁業を対象とする漁業規制で、本資源はMSYを生産するために必要な水準まで回復する可能性があるが、規制の対象外となっているブラジル、カリブ海諸国の零細漁業による最近の漁獲量の増加は、この規制の効果を相殺する可能性がある。資源の回復をより確かにするためには、現在の規制の徹底と放流魚に関する情報の収集、サークルフックの使用による漁獲個体死亡率の軽減、禁漁期・禁漁区の導入などが考えられる。また、零細漁業による漁獲のコントロールや減少も検討すべきである。

資源評価まとめ
  • 資源評価はICCATにおいて実施
  • 資源(おそらく)安定、低位

資源管理方策まとめ
  • 資源水準をMSYレベルに回復させる
  • 2010年まで、はえ縄・まき網漁業は1996・1999年の漁獲量の多い方の50%以下に抑える
  • 生きて漁獲された個体は全て放流する