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16 メバチ 東部太平洋

Bigeye Tuna

Thunnus obesus

                                                                                PIC
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最近一年間の動き

2007年の総漁獲量は9.0万トン(予備集計値)で前年(11.9万トン)より少ない。 2008年5月の資源評価では、2008年始めにおいて、東部太平洋における本種の産卵資源量は歴史的な 低レベルにあり、SBRrecentは0.17とMSYでのSBRよりも10%低い値となっている。推定されたMSYは 8.1万トンである。MSYレベルのFは近年(2005-2007の平均)のFの82%であり、過剰漁獲状態にあると 推定される。資源管理措置として、2004年〜2007年には、まき網について年間42日間の禁漁 (8/1〜9/11または11/20〜12/31)、これに違反して獲られた漁獲物の商業取引禁止、はえ縄漁業の 漁獲量制限(2001年レベル)等が実施されてきた。2008年以降の管理方策は2008年6月のIATTC年次会合 では合意されなかった。


利用・用途

はえ縄の漁獲物は生鮮(刺身)、まき網漁獲物は缶詰をはじめとする加工品として 主に利用される。


図1

図1. 太平洋におけるメバチの分布域.
赤色と緑色を合わせた海域が索餌域(分布域)。赤色が産卵域(年平均表面水温24℃以上)。


表1

表1. 東部太平洋におけるメバチの尾叉長(cm)と体重(kg)の関係



図2

図2. 東部太平洋におけるメバチの漁法別漁獲量


図3

図3. 東部太平洋における魚種別漁獲量(はえ縄)


図4

図4. 太平洋における2002〜2006年の漁場図(はえ縄).
赤色がメバチ、黄色がキハダ。右上丸は11,000トン。


図5

図5. 東部太平洋におけるメバチの国別漁獲量.


図6

図6. 東部太平洋における魚種別漁獲量(まき網).


図7

図7. 太平洋における1997〜2006年の群れの型別漁獲重量分布図(まき網)
青色がイルカ付き操業、緑色が素群れ操業。赤色が付き物操業。左上丸は7,000トン。


図8

図8. 東部太平洋におけるメバチの年齢と尾叉長(cm)の関係.
黒実線(信頼限界:点線)が2008年の資源評価で推定された成長曲線。 青矢印は雌の50%が成熟する体長。


図9

図9. 東部太平洋におけるメバチの尾叉長(cm)と体重(kg)の関係.


図10

図10. 太平洋におけるメバチの標識魚の移動.
移動距離が1000海里以上の場合のみ図示。


図11

図11. 東部太平洋におけるメバチの年齢別性別の自然死亡係数


図12

図12. 東部太平洋におけるメバチの産卵資源量と各漁業のインパクトの 推移.
黒実線が実際の産卵資源量、黒破線は漁業が無いと仮定したときの産卵資源量。 橙色、赤色および黄色はそれぞれはえ縄、FADs操業、投棄部分の漁獲の影響を示す。 赤点線は2008年のBMSY(5.9万トン。このときのBは産卵資源量)。


図13

図13. 東部太平洋におけるメバチのSBRの推移.
2009年以降は予測値。灰色は95%信頼限界。破線(SBR = 0. 19)はMSYを達成できるSBR。


図14

図14. 東部太平洋におけるメバチの加入量(相対値)の推移.
あずき色は95%信頼限界。1.0は平均値。


図15

図15. 東部太平洋におけるメバチの漁獲圧と産卵資源量 (それぞれのAMSYレベルで相対化)の経年変化.

白丸は最近年(2005から2007年)の推定値を示す。横軸は1.0以下であれば産卵資源量がAMSY レベル以下。縦軸は1.0より大きければ、漁獲圧がAMSYレベル以上。

漁業の概要

IATTCの管理する東部太平洋は南北緯度40度未満、西経150度以東と南北アメリカ大陸の海岸線に囲まれた海域である(図1)。この海域でメバチは主にはえ縄とまき網によって漁獲される。1975〜1993年までは、はえ縄による漁獲が大部分(88 %)を占めていたが、1993年にFADs操業が導入されると、まき網の漁獲が急増すると共にはえ縄(ほとんどが我が国の漁獲)の漁獲が減少し、1996年にはじめて逆転した。2007年の漁法別の漁獲量割合はまき網が68.3 %、はえ縄が31.7 %、竿釣りは0.1%未満であった。総漁獲量は1986年に10万トンに初めて達し、その後、7.3〜12.5万トンを推移し、2000年に14.7万トンの最高値を記録した。2001年以降は11.4〜13.1万トンと高水準で、2007年は前年より減少し9.0万トンであった(図2)。なお、本文と図表は特に断らない限り2008年6月の第76回IATTC年次会合で発表された資料(IATTC 2008a)とそれに先立つ資源評価部会(2008年5月)における資料(Aires-da-Silva and Maunder 2008)に基づく。また、一部の図表の漁獲量はIATTCホームページ上の最新値を用いた(http://www.iattc.org/Catchbygear/IATTC-Catch-by-species1.htm)。

【はえ縄漁業】

我が国のはえ縄を中心とする漁業は第2次大戦以前から本種を漁獲していた(岡本 2004)。戦後、1952年のマッカーサーライン撤廃以降、漁場は急速に拡大し、赤道をその年のうちに越え、東方へも順次拡大し、1960年には南アメリカ大陸沿岸にまで達した。その後、南北両半球の温帯域にも操業域を広げ、1960年代は地理的に最も広く操業が行われた。当初は缶詰等の加工品原料としてキハダとビンナガを漁獲していたが、刺身需要の増加と冷凍設備の改善によってメバチを漁獲するようになった。1994〜2007年平均の東部太平洋における魚種別漁獲量(割合)はメバチ5.0万トン(45.4 %)、キハダ1.8万トン(16.6 %)、ビンナガ1.2万トン(11.0 %)であった(図3)。漁場は現在でも広範囲で、東西方向に帯状に形成される(図4)。中心となるのは赤道を挟んだ南北15度までである。南北30〜35度付近の温帯域にも、それぞれの冬期にメバチの好漁場が形成される。主として100 cm以上の中・大型魚を漁獲する。我が国の漁獲量は1960年の1.7万トン以降、年変動はあったものの、増加傾向を示し、1986年には9.2万トンの最高値を記録した。1991年までは6.6〜8.8万トンで推移した後、急落し、2007年は1.3万トンで前年の73%であった。1960年以降のメバチ総漁獲量に対する我が国の占める割合は1993年までは71.7〜99.9 %の範囲にあったが、1994年以降急減し、2007年は14.9 %と最低値となった。1960年以降、台湾は1964年から、韓国は1975年から漁獲報告があり、2007年の漁獲量(総漁獲量に対する割合)は、それぞれ0.61万トン(6.8 %)、0.56万トン(6.3 %)であった(付表1、図5)。そのほかには中国、バヌアツおよびフレンチポリネシアなどが近年、はえ縄操業を行っている。


【まき網漁業】

1950年代の終盤に竿釣りからまき網への漁法転換が起こり、初期には米国の漁船が多かったが、1970年代の終わり頃からメキシコ、ベネズエラの漁船数が増加しはじめるとともに米国が減少し、更に1990年代に入って、エクアドルやバヌアツ等の漁船が増加した。まき網は伝統的にイルカ付き操業と素群れ操業を行い、キハダとカツオを主要な漁獲物(51.2 %および35.6 %、1994〜2007年平均の魚種別割合)としてきた(図6)。1980年代にはこの操業で混獲されるイルカの死亡が問題となり、大型船については全てオブザーバーが乗船することが義務付けられた。その後、イルカの放流技術も改善され、操業による混獲死亡はほとんど問題とならないレベルにまで減少した。イルカ付き操業で漁獲されるキハダは北緯10度を中心に、西経130度以東の沿岸域で漁獲される。まき網の1960〜1993年平均のメバチ漁獲量(魚種別割合)は0.6万トン(2.2 %)であったが、1993年頃からFADs操業が導入されるとメバチの漁獲量(割合:1994〜2007年平均)は6.1万トン(11.6 %)と急増した。この操業方法においてはキハダ、メバチおよびカツオの小型魚が漁獲の主体となり、現在は、混獲物(さめ類や他の魚類)と缶詰会社が受け入れない2.5kg未満の小型魚投棄が主要な問題となっている。FADs操業が行なわれている漁場は北緯10度以南から南緯20度間のエクアドル沿岸から西経130度付近に広くみられ(図7)、ガラパゴス西方の水域が比較的豊かな漁場である。2007年の国別漁獲量(総漁獲量に対する割合)はエクアドル3.8万トン(42.5 %)、パナマ0.9万トン(9.5 %)であり、エクアドルの漁獲の占める割合が非常に大きい(付表1、図5)。中西部太平洋でのFADs操業での漁獲物と異なり、この海域でのFADs操業では尾叉長80 cm以上の大型魚の漁獲も多くみられる。海上での漁獲物の投棄割合は1993〜2007年平均で4.9 %(1.6〜9.2%)と推定されている。まき網の場合、魚漕容量を潜在的な漁獲能力とみなしているが、2007年には23万(m3)と、2000年の18万(m3)から25.4 %の増加となった。


生物学的特徴

【寿命】

オーストラリアのサンゴ海で放流後10年以上経過してから再捕された例から10〜15年であろうと考えられている。


【成熟開始年齢】

生物学的最小形は90〜100 cm、14〜20 kg(満2歳の終わりから3歳)と報告されており、120 cmを越えると大部分が成熟する。


【産卵期・産卵場】

仔魚の分布から、熱帯・亜熱帯域の水温24 ℃以上のほとんどの水域でほぼ周年産卵すると考えられている(図 1)。海域によって産卵活動のピークが異なり、東部太平洋では赤道の北側で4〜10月が、南側で1〜6月が盛期である。なお、中西部太平洋では赤道の北側で4〜5月が、南側では2〜3月が盛期である。メバチは多回産卵型で、産卵期にはほぼ毎日産卵し、産卵は夜間の7時から真夜中にかけて行われ、一回産卵量はハワイ南西沖のサンプルから体長150 cmで約220万粒である考えられている(二階堂ほか 1991)。


【索餌期・索餌場】

南北30〜35度付近の温帯域に、それぞれの半球の冬期に漁場が形成されるが、魚体は小さく、未成熟であるため、摂餌回遊とみなされる(図1)。


【食性】

魚類や甲殻類、頭足類等、幅広い分類群が胃内容物から出現し、種特異性はないようである。しかし、他のまぐろ類に比べてハダカイワシやムネエソ等の中深層性魚類が多い。


【捕食者】

仔魚期、稚魚期には多くの捕食者がいると思われるが情報は少ない。さらに遊泳力が付いた後も、まぐろ類を含む魚食性の大型浮魚類に捕食された例がみられるが、成長するにつれて大型のかじき類、さめ類、歯鯨類等に外敵は限られてくるものと思われる。


【分布・回遊】

太平洋における分布は非常に広く、陸棚上やメキシコからコスタリカ沖の低酸素水域を除く南北両半球の緯度40度未満のほとんどの水域に分布する(図1)。熱帯もしくは夏季の亜熱帯や温帯で生まれた仔稚魚は海流と共に、もしくは遊泳しながら移動し、多くは熱帯や亜熱帯に留まるものの、一部は温帯域へ索餌回遊を行い、成熟に達したら産卵に適した水温の高い水域に戻るのではないかと想定されている。しかし、95 %の標識放流魚が放流点から1,000マイル以内で再捕されている点、東部太平洋と中西部太平洋を超えて再補された例は非常に少ない点から、この回遊パターンは他のまぐろ類、例えばビンナガやクロマグロほど明瞭な方向性があるものではないと思われる。


【年齢−体長・体重関係】

成長と年齢については幾つかの研究があり、研究者間で合意されたものはない。最近の統合モデルでは成長もモデルの中で推定する場合(図8)があることも、合意されていない原因である。行縄・薮田(1963)が鱗を用いて推定した式を改変したもの(Suda and Kume 1967)によると、1歳時が44 cm、2歳が76 cm、3歳が102 cm、4歳が123 cm、5歳で140 cmに達する。最近でも耳石日輪や標識放流結果を用いた研究(Lehodey et al. 1999、Matsumoto 1998、Scahefer and Fuller 2006)で、過去の成長式と異なる結果が得られている。体長体重関係式(表1、図9)は、Nakamura and Uchiyama (1966)の
        W(kg)= 3.661×10^(-5) ・L(cm)^2.90182
が用いられている。


【系群構造】

大西洋とインド−太平洋間には遺伝的な違いが報告されているが、太平洋での複数の系群の存在は知られていない(Chow et al. 2000)。このことは、太平洋において、はえ縄漁業の漁場分布が地理的に連続することや、魚の計数形質にあまり差が見られないことと一致している。


資源状態

本種の資源評価はIATTCが中心となって行っている。本種の資源評価は2000年からIATTCが開発したA-SCALAモデル(Maunder and Watters 2003)が用いられていたが、2008年は2007年に引き続きStock Synthesis II (SS2)が使用された。


【資源評価に用いたデータの種類】

1975年から2007年までの漁獲量、努力量および体長組成を用いた。データの集計単位は四半期ごととされた。ただし、2007年のデータは集計途上の予備的なものであった。モデル内では漁業を15に分けた。はえ縄は、漁業の季節性と魚体サイズの違いを考慮して北緯15度以北と以南で区分し、今回新たに、漁獲を尾数で表すか、漁獲量で表すかでも区分された。まき網はFADs操業が始まった1993年を境に区分、水域別にも区分するとともに群れの型で、付き物操業と素群れ・イルカ付きの2つに分けられ、更に後者は竿釣りと一緒にまとめられている。特徴的なのはまき網の投棄魚に独立した漁業を割り当てていることである。投棄は小型魚のみで、海上で投棄されるため実際の体長測定資料がないという実情がある。

漁獲量・努力量に関して、まき網と竿釣りの漁獲量は伝統的に水揚地調査と缶詰会社からのデータを用いてきたが、FADs操業導入以降魚種判別が不正確となり、メバチの漁獲量が過小評価される問題に対応して2000年以降は水揚地調査とオブザーバー調査の2つの方法で魚種別漁獲量を推定してきたが、水揚地調査の結果が採用されている。1975〜1999年の魚種別の漁獲量は2000〜2007年平均の魚種組成を用いて再算出された。ベースケースに用いた資源量指数は、はえ縄とまき網のFADs操業のものである。我が国のデータの信頼性は高く、資源量指数の標準化には操業位置(緯度、経度)と1鉢あたりの鈎数を説明変数とするdelta-lognormalモデルが用いられた。

体長組成の収集は、まき網と竿釣りはIATTCが水揚地測定とオブザーバー調査によって、はえ縄は我が国の商業漁船および実習船の測定資料が用いられている。これらの漁獲サイズには季節変動がみられる。


【資源評価解析手法】

SS2モデルは、入力データ(漁獲量、体長組成)とモデルの計算値(漁獲量、体長組成)がよく一致するように、各パラメータを繰り返し変化させて、入力データと計算値の差が十分小さくなるまで計算して、漁獲死亡係数等のパラメータを決定している。モデルを動かすためには、入力データのほかにも生物学や漁業などの情報(成長、加入と再生産、自然死亡係数、系群構造、海洋環境の影響、そのほかの仮定)が必要であり、それらは以下のようである。

成長は、前回に続いて、耳石日周輪の解析を行った研究結果の一部を取り入れ、成長式はRichardsの成長式を用いて、最大体長は最大測定値の186.5 cmとしたものを初期値としてモデルに与え、年ごとの成長量はパラメータとしてモデル内で計算された(図8)。年齢と成長関係が変わると年齢別の成熟度、繁殖価および自然死亡係数が変わり、ひいては資源量の推定に大きな影響がある。

加入と再生産に関しては、メバチは周年産卵していると考えられることから(例えばKume 1967)、加入は各四半期に起き、第一四半期齢の魚が、ほかの漁業に先んじて、まき網の投棄部分に加入すると仮定した。加入量が親魚量と強く関係している証拠が東部太平洋では得られていないので、親魚量と加入には相関がないと仮定した。また、加入量の大きな増減は起こりにくい仮定もなされた。なお、加入量が親魚量と関係があるとした場合も比較材料として検討された。成熟体長と年齢、胞卵数に関する情報に我が国はえ縄漁船の協力で得られたサンプルが使用された(Scahefer et al. 2005)。

移動は、それぞれの年の第一四半期のうちに東部太平洋で速やかに他の個体と混合すると仮定している。太平洋のメバチに複数の系群が存在するかどうかは不明である。資源評価では西経150度を境としているが便宜的なもので、境界を越えた交流はある(図10)。

自然死亡係数は、年齢と性別で異なると仮定された。昨年から変更があり、生後3ヶ月は0.25で、その後減少し、第五四半期齢に0.10となり、その後、雄は40四半期齢まで不変だが、雌は成熟後14四半期齢から上昇するとされた(図11)。

海洋環境の影響は、今回の資源評価では考慮されなかった。以前の資源評価では、海域によっては240 m深の東西方向の流速の偏差、エル・ニーニョ指数などの加入への影響が考慮された。


【資源評価の結果】

漁業がメバチ資源全体を対象に行われているとは限らないこと、モデルが資源動態を完全に再現しているとは言えないことから、モデルから得られる結果には不確実性がある。この不確実性はモデルの推定値(資源量、加入量および産卵親魚量)の信頼限界やCVで示されているが、これらはモデルが正しく資源動態をとらえていると仮定しているので過小評価になっていると考えられる。

2008年始めにおいて、東部太平洋における本種の産卵資源量は歴史的な低レベルにあり(図12)、SBRrecentは0.17とMSYでのSBRよりも10%低い値となっている(図13)。最近年の加入量はデータ不足で信頼限界が大きいが、2005年は大きい年級群と推定されている(図14)。推定されたMSYは8.1万トンである。MSYレベルのFは近年(2005-2007の平均)のFの82%であり、過剰漁獲状態にあると推定される。MSYレベルに対する努力量と資源量の経年変化を図示してみると(図15)、最近の努力量は過剰で、資源量はMSYレベルを下回っていることがわかる。

将来予測によると、近年の加入量の突然の上昇は、産卵資源量の増加と、ここ数年のはえ縄漁獲量の増加をもたらすと考えられる。しかし、漁獲圧をあげるほど、産卵資源量は減少し、現在の漁獲圧で推移すれば、産卵資源量はMSYレベルにとどまることはない(図13)。2004年〜2007年に導入されていた管理措置(Resolution C-04-09およびC-06-02(IATTC 2006))である東部太平洋におけるまき網42日間の禁漁およびはえなわ漁獲量の2001年レベルへの凍結は資源量をMSYレベルに維持するには不十分であると推定された。

これらの資源評価結果を勘案し2008年6月の本会合では次のような提案がなされた。

  1. 魚艙容量を減少させる方策を考えること。
  2. まき網は、12週間(6月20日から9月11日まで)の東部太平洋でも全面禁漁と、 これに加えて9月12日から12月31日までの赤道域(西経 94°から 110°、北緯3°から南緯5°) での禁漁。2008年に関してはIATTC本会合時期を考慮し、25日遅れで開始すること。
  3. 3. はえ縄は、主要漁業国(中国、日本、韓国および台湾)は漁獲量の上限 (中国 2,190 t、日本28,283 t、韓国10,438 tおよび台湾6,601 t)の設定と、 その他のはえ縄国は2001年の漁獲量の83%か500トンのいずれか大きい方を超えないこと。
  4. 4. FADs操業に関して、将来の機密保持規定の作成に向けてFADs操業を行う船はFADs操業の 詳細(FADs数、出港日、入港日、操業日、操業時刻、FADsの位置)の報告を行うことが 提案された(IATTC 2008b)。

管理方策

008年6月の第78回IATTC年次会合において、2008年以降の東部太平洋における保存管理措置が議論されたが、合意に至らなかった。2007年まで実施されていた資源管理措方策(まき網について年間42日間のEPO禁漁(8/1〜9/11または11/20〜12/31)、これに違反して獲られた漁獲物の商業取引禁止、加えてはえ縄漁業の漁獲量制限等)の継続措置もとられなかったため、2008年は各国の自主規制を除いていかなる規制も実施されていない状況にある。


メバチ(東部太平洋)資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(過去5年間)
9.0〜11.9万トン
平均:10.9万トン
我が国の漁獲量
(過去5年間)
1.3〜2.5万トン
平均:1.9万トン
管理目標 AMSY
資源の現状 B_2008 / B_MSY:0.90(この時のBは産卵資源量)
Catch_2007 / AMSY:1.08
F_(2005-2007) / F_MSY:1.22
管理措置 2008年以降の東部太平洋における保存管理措置は合意に至っていない。2007年まで実施されていた資源管理措方策(まき網について年間42日間のEPO禁漁(8/1〜9/11または11/20〜12/31)、これに違反して獲られた漁獲物の商業取引禁止、加えてはえ縄漁業の漁獲量制限等)の継続措置もとられていないため、2008年は各国の自主規制を除いていかなる規制も実施されていない状況にある。
資源管理・評価機関 IATTC

執筆者

まぐろ・かつおグループ
熱帯性まぐろ類サブグループ
遠洋水産研究所 熱帯性まぐろ研究室

佐藤 圭介

参考文献

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