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12 キハダ 東部太平洋

Yellowfin Tuna

Thunnus albacares

                                                            PIC
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最近一年間の動き

2007年の総漁獲量は17.3万トン(予備集計)で前年の98 %。資源評価は 2008年5月に行われ、MSYは28.2万トン、2008年当初の資源量はMSYレベルを若干下回った (Brecent/BMSY=0.96)。MSYレベルのFは近年(2005-2007の平均)のFの113%である。 資源管理措置として、2004年〜2007年には、まき網について年間42日間の禁漁 (8/1〜9/11または11/20〜12/31)、加えてこれに違反して獲られた漁獲物の商業取引禁止等が 実施されてきた。2008年以降の管理方策は2008年6月のIATTC年次会合では合意されなかった。


利用・用途

はえ縄の漁獲物は生鮮(刺身)、まき網漁獲物は缶詰をはじめとする加工品 として主に利用される。


図1

図1. 太平洋におけるキハダの分布域
赤色と緑色を合わせた海域が索餌域(分布域)。赤色が産卵域(年平均表面水温24℃以上)。


表1

表1. 東部太平洋におけるキハダの尾叉長(cm)と体重(kg)の関係


図2

図2. 東部太平洋におけるキハダの漁法別漁獲量


図3

図3. 東部太平洋における魚種別漁獲量(はえ縄)


図4

図4. 太平洋における2002〜2006年の漁場図(はえ縄).
赤色がメバチ、黄色がキハダ。右上丸は11,000トン。


図5

図5. 東部太平洋におけるキハダの国別漁獲量


図6

図6. 東部太平洋における魚種別漁獲量(まき網)


図7

図7. 太平洋における1997〜2006年の群れの型別漁獲重量分布図(まき網)
青色がイルカ付き操業、緑色が素群れ操業。赤色が付き物操業。左上丸は7,000トン。


図8

図8. 東部太平洋におけるキハダの年齢と尾叉長(cm)の関係.
黒実線(信頼限界:灰色)が2008年の資源評価で推定された成長曲線。青矢印は雌の50%が 成熟する体長。


図9

図9. 東部太平洋におけるキハダの尾叉長(cm)と体重(kg)の関係


図10

図10. 東部太平洋におけるキハダの年齢別自然死亡係数


図11

図11. 東部太平洋におけるキハダの資源量と各漁業のインパクトの推移.
黒実線が実際の資源量、黒破線は漁業が無いと仮定したときの資源量。橙色、青色、緑色、 赤色、黄色はそれぞれはえ縄、イルカ付き操業、素群れ操業、付き物操業、投棄部分の漁獲の 影響を示す。赤点線は2008年のBMSY(40.0万トン)。


図12

図12. 部太平洋におけるキハダのSBRの推移.
大きな黒丸が現状。2009年以降は予測値。灰色は95%信頼限界。破線(SBR = 0.36)は MSYを達成できるSBR。


図13

図13. 東部太平洋におけるキハダの加入量(相対値)の推移.
灰色は95%信頼限界。1.0は平均値。


図14

図14. 東部太平洋におけるキハダの漁獲圧と資源量 (それぞれのMSYレベルで相対化)の経年変化.
れぞれの黒丸は3カ年移動平均。赤丸は最近年の点推定値、赤丸と黒四角の間の点線は 95%信頼限界を表す。横軸は1.0以下であれば資源量がMSYレベル以下。縦軸は1.0より 大きければ、努力量がMSYレベル以上。


漁業の概要

IATTCの管理する東部太平洋は南北緯度40度未満、西経150度以東と南北アメリカ大陸の海岸線に囲まれた海域である(図1)。この海域では1960年頃までは竿釣り漁業により資源が開発されてきた。その後、竿釣り漁業はまき網漁業に転換された。キハダの大部分はまき網によって漁獲され(89.9 %、1960〜2007年平均)、残りをはえ縄(7.5 %)、竿釣り(2.1 %)などが占めている。1963年の総漁獲量は最も低く7.4万トンであった(図2)。その後、年変動はあったものの増加傾向を示し1976年に23.4万トンを記録した。その後、一転して、減少をつづけ、1982年半ばから1983年末のエル・ニーニョ現象(ペルー沖から日付変更線付近にかけての海面水温が平年に比べて高い状態が1年から1年半続く現象)による不漁により、多くの米国船が中西部太平洋に移動し、1983年には10.5万トンにまで落ち込んだ。その後、東部太平洋に戻る船もあったため1990年には30.2万トンまで回復したが、まき網はイルカ付きの群れを漁獲していたため、イルカの保護運動が次第に強まった結果、同年に米国のツナ缶詰製造業者が、イルカが混獲された操業で獲られたまぐろ類の不買方針を決めると、米国船の一部が再び西太平洋へ漁場を移動した。同時に、この不買運動によりメキシコの漁獲物を米国に輸出することができなくなり、大きな問題となった。1990年以降は米国以外の国籍船(便宜置籍と新規加入)の進出が目立ち、1999年には29.7万トンまで回復し、さらに好調な加入による資源増がみられたことから、2001〜2003年には漁獲量が40万トンを越えた。2007年は17.3万トン(予備集計)で前年とほぼ同値である(図2)。

なお、本文と図表は特に断らない限り2008年6月の第78回IATTC年次会合で発表された資料(IATTC 2008a)とそれに先立つ資源評価部会(2008年5月)における資料(Maunder and Aires-Da-Silva 2008)に基づく。また、一部の図表の漁獲量はIATTCホームページ上の最新値を用いた。

【はえ縄漁業】

戦後、1952年のマッカーサーライン撤廃以降、漁場は急速に拡大し、赤道をその年のうちに越え、東方へも順次拡大し、1960年には中央アメリカ沿岸に達した(Suzuki et al. 1978)。その後、南北両半球の温帯域にも操業域を広げ、1960年代は地理的に最も広く操業が行われた。当初は缶詰等の加工品原料としてキハダとビンナガを漁獲していたが、刺身需要の増加と冷凍設備の改善によってメバチを漁獲するようになった。最近5年平均の魚種別漁獲量(割合)はメバチ4.2万トン(41.9 %)、キハダ1.3万トン(13.1 %)およびビンナガ1.4万トン(13.9 %)であった(図3)。漁場は現在でも広範囲で、東西方向に帯状に形成される(図4)。中心となるのは赤道を挟んだ南北15度までである。主として100 cm以上の中・大型魚を漁獲する。我が国の漁獲量は1960年の5.9千トン以降、顕著な変動傾向はみせず、1986〜1995年にかけて2.0万トン程度であった以外は1万トン前後で推移した。2006年は3,400トンで前年の85%であった。1960年以降の総漁獲量に対する我が国の占める割合は、1960年代は10〜25 %にあったが、その後は5〜10 %を推移し、最近5年は2.0%にとどまる(図5)。日本以外では台湾が主要なはえ縄漁業勢力であるが、2006年の漁獲量(総漁獲量に対する割合)は、1,671トン(0.9 %)であった。

【まき網漁業】

我が国のまき網船は1970年代初頭に操業したが、それ以降は出漁していない。1950年代の終盤に竿釣りからまき網への漁法転換が起こり、初期には米国の漁船が多かったが、1970年代の終わり頃からメキシコ、ベネズエラの漁船数が増加しはじめるとともに米国が減少し、更に1990年代に入って、エクアドルやバヌアツ等の漁船が増加した。まき網は伝統的にイルカ付き操業と素群れ操業を行い、キハダとカツオを主要な漁獲物(43.3 %および42.9 %、過去5カ年の魚種別割合)としてきた(図6)。その後、FADs操業が発達し、50 cm程度の小型魚を中心に漁獲している。素群れ操業は60〜100 cm程度、イルカ付き操業は90〜150 cmの中・大型魚を中心に漁獲している。イルカ付き操業の漁場は北緯10度を中心に、西経130度以東の沿岸域に分布し、素群れ操業は沿岸部に多く、付き物操業は比較的南緯側で多くみられた(図7)。1985年以前は米国が最大の漁獲量をあげたが、その後メキシコに座を譲った。主要な国別の2007年のまき網の漁獲量と総漁獲量に対する割合はメキシコ6.4万トンで37.2%、パナマ2.9万トン(16.7%)、ベネズエラ2.4万トン(13.9%)およびエクアドル1.9万トン(11.2%)であった。海上での漁獲物の投棄割合は1993〜2007年平均で1.8 %(0.9〜2.6 %)と推定された。まき網の場合、魚艙容量を潜在的な漁獲能力とみなしているが、2007年には23万(m3)と、2000年の18万(m3)から25.4 %の増加となった。また、総操業数は、2003年にピーク(32,407操業)を記録したのち減少傾向にある(2007年は29,532操業)。群れ別には、イルカ付き操業は減少(2003年は12,839操業が、2007年には8,884操業)、FADs操業は増加(6,201→8,218操業)および素群れ操業は同程度(12,367→12,430操業)であった。イルカ付操業数の減少は、このようなFADs操業(カツオを主対象)への努力量の移行のほかに、キハダのイルカ付操業のCPUE自体が近年、急激に低下したためではないかと考えられている。


生物学的特徴

【寿命】

本種の寿命は正確には判っていないが、耳石年輪より15歳までは存在が知られていることと成長が速いことから、メバチより短く7〜10年であろうと考えられている。


【成熟開始年齢】

生物学的最小形は50cm以下であり、雌の50%は92cmで成熟し、123.9cmの雌(39kg、満2歳の終わりから3歳)では90%が成熟している(Schaefer 1998)。


【産卵期・産卵場】

キハダは世界中の大洋の幅広い範囲で、特に熱帯域では周年産卵している(図1)。東部太平洋では赤道から北緯20度の沿岸から西経140度(まき網漁業の西端域)の範囲で周年産卵しており、北緯20度より北で主に7〜11月、赤道より南では11〜2月が産卵盛期である。組織学的な観察から産卵間近と推定された個体の85.3 %は海表面水温26.0〜30.0 ℃の水域に分布している。キハダは1度の産卵期(周年産卵であれば1年のうちに)に複数回産卵できるとされており(Schaefer 1998)、そのことは、蓄養のキハダで確認されている(Niwa et al. 2003)。1回あたりの産卵量は体長120cmで約233万粒とされる(Schaefer 1998)。


【索餌期・索餌場】

分布域が索餌場とみなせると思われる(図1)。


【食性】

本種の仔魚期の餌生物はカイアシ類、刺角類が主体である(Uotani et al. 1981)。稚魚の胃内容物についての知見は断片的で、魚類が圧倒し、次いで頭足類が出現し、カイアシ類はほとんどみられないとする報告がある(辻 1998)。成魚の胃内容物に関する知見は比較的豊富(eg. Matthews et al. 1977)で、魚類を主に甲殻類、頭足類など幅広い生物を摂餌し、明確な嗜好性はないと思われる。


【捕食者】

仔魚期、稚魚期には多くの捕食者がいると思われるが情報は少ない。さらに遊泳力が付いた後も、まぐろ類を含む魚食性の大型浮魚類に捕食された例がみられるが、成長するにつれて大型のかじき類、さめ類、歯鯨類等に外敵は限られてくるものと思われる。


【分布・回遊】

太平洋の熱帯、亜熱帯域を主として、温帯域にも幅広く分布する。漁場位置からみて北緯40度から南緯40度までが、おおよその分布域である(Wild 1994、図1)。これまでの標識放流結果によると、東部太平洋と中西部太平洋間の移動はまれで、東部太平洋内でも狭い範囲の移動が多く、クロマグロやビンナガにみられる明瞭な回遊は無いと思われる(Suzuki et al. 1978、Wild 1994)。


【年齢−体長・体重関係】

Wild (1986)は、196尾の日齢査定から得られたRichardの成長式(Lt =L∞ * [(1-(e-K(t-t0 ))/b]b :Ltは時間tにおける尾叉長(cm)、L∞=185.7(cm)、K=0.761、t0 =1.853年、b=-1.917)により、1歳時が49 cm、2歳が89 cm、3歳が127 cm、4歳が154 cm、5歳で170 cmに達すると報告した(図8)。体長体重関係式(表1、図9)はW =1.387*10-5 *L3.086体重(W: kg)、尾叉長(L: cm)が使用された(Wild 1986)。


【系群構造】

太平洋で複数の系群の存在を示す遺伝学的な直接証拠はなく、はえ縄漁場が太平洋で連続的に分布している一方で、上述の標識放流の再捕記録、形態学的な方法(Schaefer 1991)、親魚の成熟状態と仔稚魚の出現場所(Suzuki et al. 1978)、魚体組成の変化(Anon. 1982)などは系群の存在を示唆する。現在のところ東部太平洋を独立した資源と仮定して資源評価が行われている。


資源状態

本種の資源評価はIATTCが実施している。IATTCが開発したA-SCALAモデル(Maunder and Watters 2003)が2000年から用いられている。

【資源評価に用いたデータの種類】

1975年から2007年12月までの漁獲量、努力量および体長組成を用いた。データの集計単位は四半期ごととした。ただし、2007年のデータは集計途上の予備的なものであった。モデル内では漁業を16に分けた。はえ縄は、漁業の季節性と魚体サイズの違いを考慮して北緯15度以北と以南に区分された。まき網は水域別に区分するとともに群れの型で、付き物操業と素群れ操業およびイルカ付き操業の3つに分けられた。更にまき網の投棄部分に独立した漁業を割り当てた。投棄は小型魚のみで、海上で投棄されるため実際の体長測定資料がないという実情がある。

漁獲量・努力量について、まき網と竿釣りの漁獲量は伝統的に水揚地調査と缶詰会社からのデータを用いてきたが、FADs操業導入以降魚種判別が不正確となり、メバチの漁獲量が過小評価される問題に対応して2000年以降は水揚地調査とオブザーバー調査の2つの方法で魚種別漁獲量を推定してきたが、水揚地調査の結果が採用されている。1975〜1999年の魚種別の漁獲量は2000〜2005年平均の魚種組成を用いて再算出された。2007年のはえ縄の漁獲量は、集計がなされていない場合が多かったので努力量から推定した。その努力量は2006年の努力量と同じと仮定した。我が国のはえ縄データの信頼性は高く、資源量指数の作成に用いられるとともに、はえ縄漁業の総漁獲量を資源評価モデルに利用するために、その努力量データが使用された。

体長組成について、まき網と竿釣りはIATTCが水揚地測定およびオブザーバー調査によって収集しており、はえ縄は我が国の漁船上における測定資料と実習船の測定資料である。

【資源評価解析手法】

A-SCALAモデルは、入力データ(漁獲量、体長組成)とモデルの計算値(漁獲量、体長組成)がよく一致するように、各パラメータを繰り返し変化させて、入力データと計算値の差が十分小さくなるまで計算して、漁獲死亡係数等のパラメータを決定している。モデルを動かすためには、入力データのほかにも生物学や漁業などの情報(成長、加入と再生産、自然死亡係数、系群構造、海洋環境の影響)が必要であり、それらは以下のとおりである。

成長は、上述のWild (1986)の成長曲線を初期値とした(図8)。年齢は7歳まで考慮した。年齢と成長関係が変わると年齢別の成熟度、繁殖価および自然死亡係数が変わり、ひいては資源量の推定に大きな影響がある。

加入はすべての四半期で起こり、二四半期齢すなわち0.5歳のおおよそ33 cmの魚が、ほかの漁業に先んじて、まき網の投棄部分に加入すると仮定された。親魚量と加入には相関がないと仮定した。また、加入量の大きな増減は起こりにくいとの仮定もなされた。なお、加入量と親魚量にBeverton-Holt型の再生産関係があるとした場合も比較材料として検討された。

自然死亡係数は、成熟後は雌雄で自然死亡係数が異なると考えられるので、知られている性比(Schaefer 1998)を再現できるように成熟と成長を考慮して年齢別自然死亡係数をモデル外で算出し、雌雄で同じ値を用いた(図10)。若齢期の自然死亡が高く、減少したのち、雌の成熟時にやや上昇し、最終的には減少する。

系群構造は、上述のように太平洋のキハダに系群が存在するかどうかは不明である。資源評価では西経150度を境としているが便宜的なもので、境界を越えた若干の交流はあるものの資源評価に大きな影響は与えないとされている。移動は、本モデルでは考慮されない。

海洋環境の影響について、一般には海況が漁具の挙動に影響を与えると考えられ、かつての資源評価では水温と加入量あるいは操業効率の関係が考慮されたが、限定的な関連が見いだされたに過ぎなかったので、今回の資源評価では海洋環境は考慮されなかった。

【資源評価の結果】

漁業がキハダ資源全体を対象に行われているとは限らないこと、モデルが資源動態を完全に再現しているとは言えないことから、モデルから得られる結果には不確実性がある。この不確実性はモデルの推定値(資源量、加入量および産卵親魚量)の信頼限界やCVで示されているが、これらはモデルが正しく資源動態をとらえていると仮定したうえでの算出なので、不確実性を過小評価していると考えられる。このキハダ資源には加入量、資源量のレベルが異なる2つ(もしくは3つ)の時期(1975〜1983年、1984〜2000年、(2001-2007年))が存在すると考えられており、それぞれ低水準、高水準および中水準である。最近年(2001年以降)は中水準(あるいは再度低水準期への回帰)ではないかと考えられているが、確証は得られていない。

2008年始めの、東部太平洋における本種の資源量は38.4万トン(図11)、SBRMSYは0.34と推定され(図12)、両者ともほぼMSY付近にある。最近年の加入量は大きいと推測されているものの、信頼限界が大きいため不明である(図13)。推定されたMSYは28.2万トンで、2007年の漁獲量17.1万トンを上回っている。MSYレベルのFは近年(2005-2007の平均)のFの113%である。MSYレベルに対する努力量と資源量の経年変化からも、最近の努力量、資源量はともにMSYレベル付近であることがわかる(図14)。

将来予測を行なった結果、努力量を現状とすると資源量は増加し、その後減少するものの、現状のレベルは維持する。SBRも似た変動を示し、MSYレベルを上回る(図12)。2007年までの管理措置(まき網の42日間の休漁)が無い場合は、資源量もSBRが現在より減少すると予測された。

これらの資源評価結果を勘案し次のような提案がなされた。1)魚艙容量を減少させる方策を考えること。2)まき網は、12週間(6月20日から9月11日まで)の東部太平洋でも全面禁漁と、これに加えて9月12日から12月31日までの赤道域(西経 94°から 110°、北緯3°から南緯5°)での禁漁。2008年に関してはIATTC本会合時期を考慮し、25日遅れで開始すること。3)FADs操業に関して、将来の機密保持規定の作成に向けてFADs操業を行う船はFADs操業の詳細(FADs数、出港日、入港日、操業日、操業時刻、FADsの位置)の報告を行うことが提案された(IATTC 2008b)。これらの管理方策は基本的にはメバチの資源保護を目的としているが、両種の若齢魚は同様の漁法で漁獲されるため、種別の方策ではなく両種共通の方策として扱われている。


管理方策

2008年6月の第78回IATTC年次会合において、2008年以降の東部太平洋における保存管理措置が議論されたが、合意に至らなかった。2007年まで実施されていた資源管理措方策(まき網について年間42日間のEPO禁漁(8/1〜9/11または11/20〜12/31)、加えてこれに違反して獲られた漁獲物の商業取引禁止等の管理措置)も継続措置がとられなかったため、2008年は各国の自主規制を除いていかなる規制も実施されていない状況にある。


メカジキ(北大西洋)資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(過去5年間)
17.3〜40.8万トン
平均:26.7万トン
我が国の漁獲量
(過去5年間)
0.3〜0.9万トン
平均:0.7万トン
管理目標 MSY
目標値
資源の現状 B_2008/ B_MSY:0.96
F_(2005-2007) / F_MSY:0.88
管理措置 2008年以降の東部太平洋における保存管理措置は合意に至っていない。2007年まで実施されていた資源管理措方策(まき網について年間42日間のEPO禁漁(8/1〜9/11または11/20〜12/31)、加えてこれに違反して獲られた漁獲物の商業取引禁止等の管理措置)も継続措置がとられていないため、2008年は各国の自主規制を除いていかなる規制も実施されていない状況にある。
資源管理・評価機関 IATTC

執筆者

まぐろ・かつおグループ
熱帯性まぐろ類サブグループ
遠洋水産研究所 熱帯性まぐろ研究室

佐藤 圭介

参考文献

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