はじめに

 

昨年来、国内ではまぐろ類を始めとする国際漁業資源の減少について大きく取り上げられる機会が増えている。

FAOによると、世界の主な漁業資源のうち、今後開発の余地があるのは4分の1で、約半数の資源は満限に利用されている状況にあると報告されており、今後持続的に資源を利用していくためには科学的な根拠に基づく適切な管理と利用をより一層強化していく必要がある。

また、生態系保全に関する関心が高まり、漁業が生態系に与える影響も今後考慮することが重要である。

水産庁では、これらの管理と利用に対応するため、まぐろ類に代表される高度回遊性魚類や鯨類、溯河性魚類など2国間・多国間を問わず国際的な資源管理が必要な漁業資源や生態的に関連する種について調査するための国際資源対策推進委託事業を実施している。

本書は、国際資源対策推進委託事業の結果について広く一般に広報することを目的とし、作成に当たっては、主要な漁業資源について、地域漁業管理機関の科学委員会で合意した漁獲動向・生態学的特性・資源評価結果に加え、いくつかの資源では我が国独自の科学的見解も盛り込んでいる。本書が国際漁業資源を巡る国際的な情勢や生態学特性・資源動向等を理解する一助となれば幸いである。

本書の作成に当たっては、地域漁業管理機関をはじめとする多数の方々の協力が不可欠であった。執筆者一同、これらの方たちに深甚なる敬意を表するものである。

なお、本書に掲載している資源評価等については、下記のホームページでも公開している。本書及びホームページを引用する際は、出典を明記されたい。

 

ホームページ:国際漁業資源の持続的利用と適切な保存・管理のために

http://kokushi.job.affrc.go.jp/